アムジェンとアステラス製薬は８月１日、骨折の危険性の高い骨粗鬆症治療薬・イベニティ皮下注について、心血管系事象発現リスクが高い患者への投与を「慎重に判断」するよう求める適正使用のお願いを発出した。「特に、少なくとも過去１年以内の虚血性心疾患又は脳血管障害の既往歴のある患者に対して、本剤の投与は避けてください」と求めている。

イベニティは2019年３月の販売開始後、本剤との関連性は明確ではないものの、本剤投与後の心血管系事象（虚血性心疾患又は脳血管障害）の報告が認められた。このため同年９月に「警告」の新設を含む添付文書改訂を行い、骨折抑制のベネフィットと心血管系事象の発現リスクを十分に理解した上で、適用患者を選択する必要がある旨の追記を行った。

このほど推定累積投与患者数から虚血性心疾患及び脳血管障害の報告率を算出した結果、報告率に顕著な傾向は認められなかったが、本剤との因果関係は不明であるものの、転帰死亡を含む重篤な症例が依然として一定数報告されていることを確認した。そこで両社は改めて適正使用の注意喚起を行った。