AZとBMS GLP-1受容体作動薬2製剤 をイーライリリーから継承 糖尿病領域に参入
公開日時 2013/04/02 04:00
アストラゼネカ(AZ)とブリストル・マイヤーズ(BMS)は4月1日、2型糖尿病に用いるGLP-1受容体作動薬のバイエッタ皮下注(一般名:エキセナチド)と同週1回製剤のビデュリオン皮下注(同)の製造販売承認を日本イーライリリーから承継したと発表した。これで両社は糖尿病領域に参入する。AZが製造販売承認を取得、BMSと共同販促する。バイエッタ皮下注はリリーから継承したAZが4月1日から発売を開始。ビデュリオン皮下注は5月16日に発売される予定。
今回の継承は、両製剤を開発・製造する米国のAmylin Pharmaceuticals社とイーライリリーのグローバルレベルでの提携解消によるもの。昨年8月には米BMSによるAmylinの買収が完了し、英AZと米BMSがグローバルでの提携を拡大した。そのため、日本でも両製剤の販売および開発がイーライリリーからAZとBMSに継承された。
GLP-1受容体作動薬は、DPP‐4阻害薬とともに消化管ホルモンのインクレチンに関連する薬剤。食事の摂取により消化管から産生されるインクレチンは、高血糖時にのみインスリン分泌を増強するため、低血糖事象が少ないのが特徴だ。バイエッタは1日2回の皮下注投与製剤で、日本イーライリリーが10年12月に発売を開始している。12年度の売上高は薬価ベースで22億円(前年比152%)。
ビデュリオンはバイエッタと同成分であるが、持続性を高めた世界初の週1回製剤。国内のフェーズ3試験では、2型糖尿病215人を対象に、持効型インスリンのランタスとオープンラベルで比較検討されている。26週間の投与の結果、ランタスと同等の血糖低下作用のほか、体重低下と低血糖リスクの低下が確認された。ただし、ビデュリオンによる注射部位の硬化が多くなっていた。日本ではイーライリリーが開発し、12年3月に製造販売の承認を取得。その後、AZとBMSに継承され、2月に薬価収載された。
バイエッタの発売に伴い、AZは、プライマリケアを中心としてGP・HPをMR1300人が担当する。BMSは既存の循環器・代謝・免疫部門内に新たに糖尿病領域営業部を設置。100人の糖尿病専門MRが専門医を担当する。国内でフェーズ3試験が進行中のSGLT-2阻害薬・Dapagliflozinについて、共同で開発・販売販促することでも合意している。