米FDA GLP-1受容体作動薬と自殺念慮 調査を継続
公開日時 2024/01/23 04:49
米FDA(食品医薬品局)は1月11日、糖尿病および肥満症治療薬のGLP-1受容体作動薬(グルカゴン様ペプチド1受容体作動薬)と同剤服用患者の自殺念慮・自殺行動の報告について予備的評価では、因果関係が明らかなエビデンスは見つからなかったものの、さらに調査を継続すると発表した。
FDAは過去数か月にわたり、FDAが受領した有害事象報告システム(FAERS)において同剤に起因すると疑われる自殺念慮・行動についての報告を評価した。しかし、情報に限界があることや、他の因子による影響が除外できないことなどから、GLP-1受容体作動薬の服用と自殺念慮・行動との因果関係を確認できなかった。また、大規模アウトカム試験および観察研究でも同様だった。しかし、GLP-1受容体作動薬服用患者と対照群との観察で少数の自殺念慮・行動が報告されており、自殺念慮・行動のリスクを最終的には除外できないとして、調査を継続することを決めた。
FDAは、GLP-1受容体作動薬の自己判断による休薬は症状を悪化させるリスクがあると指摘。そのうえで、自殺念慮が発言した場合や、その他の問題が生じた場合は医師に相談するよう呼びかけた。
同剤の現行の処方情報には、自殺念慮・行動のリスクについての情報が含まれており、添付文書にも記載されている。
FDAは、医療専門家に対して、GLP-1受容体作動薬服用患者が新たにうつ状態になったり、うつが悪化したり、自殺念慮、あるいは気分や行動に何らかの変化が出ないかを観察、報告するよう求めている。
FDAは、FDA承認GLP-1受容体作動薬として以下の薬剤を上げている。(一般名、適応症)
▽エキセナチド(2型糖尿病)、▽リラグルチド(2型糖尿病、肥満/過体重)、▽デュラグルチド(2型糖尿病)、▽リキシセナチド(2型糖尿病)、▽リラグルチド+インスリンデグルテク(2型糖尿病)、▽リキセナチド+インスリングラルギン(2型糖尿病)、▽セマグルチド(2型糖尿病、肥満/過体重)、▽チルゼパチド(2型糖尿病、肥満/過体重)。