協和発酵キリン 国内開発中の慢性腎臓病治療薬フェーズ2a中断 海外での試験中止で
公開日時 2012/10/22 04:02
協和発酵キリンは10月19日、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者に対する治療薬として日本で開発を進めているバルドキソロンメチル(開発番号:RTA402)の前期フェーズ2(フェーズ2a)を中断すると発表した。欧米など海外で進めていた米リアタ社のフェーズ3で、同剤を投与していたグループで重篤な有害事象が多く発現し、死亡例も出たことから独立モニタリング委員会が試験中止を勧告したのを受け試験が中止されたことから、協和発酵キリンは国内試験の中断することにした。
協和発酵キリンによると、国内試験では安全性で懸念されることはなく、死亡例も報告されていない。一方、今回中止された海外試験でどのような有害事象が発生したのかなどは「把握できていない」としており、今後海外試験データを詳細に分析した上で、国内試験を再開するか中止するかを決めるとしている。
同剤は、協和発酵キリンが米リアタ社から日本、中国、台湾、韓国、東南アジア諸国での独占的開発・販売権を取得し、開発を進めていたもの。同社としては、主力の透析領域に加え、同領域と関係の深い糖尿病領域も強化する方針にある。「RTA402」は、糖尿病から腎症を発症し、その病気の進行スピートを抑える薬としての開発しているとみられ、同社の将来の戦略品としての可能性がある開発品と考えられる。