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厚労省 4製品の適応追加など承認 ジャディアンスにCKD追加 エンレストに小児慢性心不全

公開日時 2024/02/13 04:50
厚生労働省は2月9日、4製品の適応追加などを承認した。日本ベーリンガーインゲルハイムが製造販売するSGLT2阻害薬・ジャディアンスに慢性腎臓病(CKD)の適応が追加されたほか、ノバルティス ファーマのARNI・エンレストに国内初の小児慢性心不全の適応が追加された。なお、エンレストの粒状錠小児用12.5mgと同31.25mgは今回承認されていない。

適応追加などが承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元。薬効分類別に記載)

エンレスト錠50mg、同錠100mg、同錠200mg(サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物、ノバルティスファーマ):「慢性心不全」を効能・効果とし、小児用量を追加する新効能・新用量医薬品。薬効分類219。

ネプリライシン阻害薬サクビトリルとARBバルサルタンを含有するアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)。現在、成人の慢性心不全と高血圧症を適応としており、今回、慢性心不全の小児用量が追加された。

小児の慢性心不全に対する用法・用量は、通常、1歳以上の小児には体重に応じた開始用量を1日2回経口投与し、忍容性が認められる場合は2~4週間の間隔で段階的に目標用量まで増量して用いる。忍容性に応じて適宜減量する。なお、エンレストの粒状錠小児用12.5mgと同31.25mgは今回承認されていない。

小児慢性心不全は、病状が進むと心肥大や心拡大などが進行し不整脈や突然死を引き起こすこともあるため、早期に診断して適切な治療を行うことが重要となる。しかし、国内では急性増悪期に対する治療薬を除き小児慢性心不全に対して承認された薬剤はなく、成人心不全患者でのエビデンス等に基づき成人用の薬剤を用いて用量調節しながら治療がおこなわれているのが現状となっている。

ジャディアンス10mg錠(エンパグリフロジン、日本ベーリンガーインゲルハイム):「慢性腎臓病。ただし、末期腎不全又は透析中の患者を除く」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。薬効分類399。

SGLT2阻害薬。ジャディアンスにとって慢性腎臓病(CKD)は、2型糖尿病、慢性心不全に続く3つ目の適応となる。CKDに対する用法・用量は、既承認の慢性心不全と同じく、「通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する」。

ジャディアンスのCKD適応の取得は、EMPA-KIDNEY試験の結果に基づく。同試験ではアルブミン尿正常の「A1」、かつeGFRが20以上45mL/min/1.73m2未満の患者も組み込まれており、一般診療でみられることが多い患者が幅広く組み込まれている。「A1」はリスクが低く腎機能低下が緩やかな患者群のため、CKD患者を対象としたSGLT2阻害薬の臨床試験ではこれまで試験の対象になっていなかった。

オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注120mg、同点滴静注240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。薬効分類429。

ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。上皮系皮膚悪性腫瘍は、上皮系腫瘍として系統別分類される皮膚がんの総称であり、有棘細胞がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病、皮膚付属器がん(汗腺がん、脂腺がん、毛包がんなど)などが含まれる。患者数は2万5000人未満と推測されている。

90%以上の患者は手術療法を中心とした局所治療による根治が期待されるが、根治切除不能な進行・再発例は予後不良で、標準治療が確立されていない。厚労省医薬局の担当者は「現在使用されている主な医薬品として、カンプト、ペプレオ、ブレオがあり、臨床的位置付けとしては、治療選択肢の一つになる」としている。

デュピクセント皮下注300mgシリンジ、同皮下注300mgペン、同皮下注 200mgシリンジ(デュピルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「既存治療で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。薬効分類449。

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体。特発性の慢性蕁麻疹(CSU)は、膨疹や皮下深部の浮腫が突然現れることを特徴とする慢性炎症性皮膚疾患。

用法・用量は「通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。通常、生後12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。・30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔。・60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔」となる。

デュピクセントにとってCSUは、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、結節性痒疹に続く5つ目の適応となる。
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