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PMDA 炭酸リチウム適正使用で血中濃度測定求める 検査実施半数にとどまる

公開日時 2012/09/27 04:00

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は9月25日、医薬品適正使用のお願いで、躁病・躁状態の治療薬である炭酸リチウムについて、血清リチウム濃度の測定が半分以上でなされていない可能性を指摘し、血中濃度の測定を徹底することを医療機関に求めた。同剤は、適正な血中濃度が保たれない場合に、リチウム中毒に至る可能性があることが指摘されている。

PMDAが、医科・調剤、DPCレセプトデータを基に調査した結果、炭酸リチウムが処方された患者2309例のうち、1200例(59%)で血清リチウム濃度測定が実施されていない可能性があったという。


PMDAは、炭酸リチウムの投与に際しての注意として、投与初期または増量については、維持量が決まるまで1週間に1度、維持量の投与中は、2~3カ月に1回の血中濃度測定を行うよう求めた。また、濃度測定の結果から、トラフ値を評価し、用量を調節することも求めた。


また、▽血清リチウム濃度を上昇させる要因が認められる場合▽リチウム中毒の初期症状が認められる場合――には、定期的な検査に加え、検査を追加実施することを求めた。


血清リチウム濃度を上昇させる要因としては、①食事及び水分摂取量不足②脱水を起こしやすい状態③血中濃度上昇を起こす可能性がある薬剤の併用開始――を挙げた。中でも、他院での処方や市販薬であっても患者が服用しやすい、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)について注意するよう求めた。


リチウム中毒の初期症状としては、①食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢等の消化器症状②振戦、傾眠、錯乱等の中枢神経症状③運動障害、運動失調等の運動機能症状④発熱、発汗等の全身症状――を挙げた。その上で、患者及びその家族に、中毒の可能性があることを説明するとともに、初期症状が現れた場合には医師の診察を受けるよう、指導することを求めた。


検査の結果、血清リチウム濃度が1.5mEq/Lを超えた場合は必要に応じて減量または休薬を、2.0mEq/Lを超えた場合には減量または休薬も求めている。
 

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