MR認定センター調査 11年度MR数は過去最高6万3875人 新薬メーカーも増員 ピークか
公開日時 2012/09/05 04:02
MR認定センターがまとめた「2012年版MR白書」によると、11年度(12年3月31日時点)国内MR数は、前年度より2629人増の6万3875人で、過去最高となった。増加傾向にあるCSO、大規模卸のMSのMR認定取得以外にも、新薬メーカーも増員を図ったことが全体を押し上げた。しかし、主力品が相次いで特許満了を迎え長期収載品化する中、大型新薬が出にくくなるなど市場・社会環境の変化はコストにメスを入れざるを得ない状況にある。加えて本誌調査(12年4月1日時点)では減員企業が散見してはじめており、国内MR数はピークを迎えたとみられる。
調査は208社(10年度203社)全てから回答を得たもの。MR数を押し上げたのは、製薬企業が増員によるものが一因。内資は3万7293人、2.3%増の853人増、外資は2万3061人、5.4%増の1187人増で外資が積極的雇用していた。JGA所属企業のMR数全体は前年度と同数だったことから、新薬メーカー中心に増員を図ったことがうかがえる。
例年増加要因となっているCSOのコントラクトMR(CMR)も09年度2375人、10年度2932人、11年度は3521人となり、MR1000人以上の製薬企業を中心に活用が進み、それ以下の規模の企業でも活用が広がっている。CMRの増加幅は新薬の上市状況に左右されるとはいえ、いくつかの外資製薬企業では製薬企業本体のMR数を抑えつつ、CMRを100人以上の規模で導入して新製品の販促をするところも出ており、今後も増加傾向は続く見通しだ。
そのほかMR数を押し上げたのは、日本製薬工業協会、日本ジェネリック製薬協会(JGA)所属企業以外の企業が伸ばしたことがある。09年度より11.2%増(733人増)の7253人(09年度と比較するのは、田辺三菱製薬が製薬協を10年に退会し、11年に製薬協に復帰した影響を除外するため)で、これは大規模卸がMRを雇用したことなどによるものという。
MR1000人以上企業では製品担当が軸
MRの担当をみると、「原則として全製品を担当」が68.8%だが、企業規模が大きくなるにつれて「領域を分担した製品担当」が増え、MR雇用数1000人以上の企業20社では、全製品担当は3社にとどまり、製品担当11社、専門領域MR配置は5社だった。
女性MR・管理職の増加顕著もキャリアアップは内資・外資に格差
MR数を男女別で見ると、男性5万5284人に対し女性は8591人と全体の16%だが、増加率では男性3.6%増に対し女性は9.3%増。管理職では男性8618人の4.5%増に対し女性は79人の41.1%増と、MR・管理職とも女性の進出が顕著。管理職79人のうち54人は外資系であり、センターは「女性のキャリアアップに取り組む姿勢は、内資企業と外資企業に大きな隔たりがあった」と指摘した。