開発中の甲状腺がん薬レンバチニブ オーファン指定 放射性ヨウ素治療抵抗性患者が対象
公開日時 2012/08/21 04:01
エーザイは8月20日、甲状腺がん治療薬として開発中のレンバチニブメシル酸塩 (以下 レンバチニブ)が厚労省から希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けたと、発表した。分化型甲状腺がん患者の多くは、手術や放射性ヨウ素療法で治療できるが、治療に反応しない患者も少数だがいるという。その患者を対象にしたフェーズ3が日本、米国、欧州、アジアを含む国際共同治験として行われており、13 年度中の申請を目指す。
同剤は、エーザイが創製したマルチキナーゼ阻害剤で、血管内皮増殖因子(VEGF)の受容体であるVEGFR2 やRETのチロシンキナーゼ、および血管新生や腫瘍増殖に関わる他の複数のチロシンキナーゼをターゲットにし、血管新生・腫瘍増殖を阻害するという。
オーファン指定は、オーファンドラッグの開発を促す制度で、指定されると、優先的な治験相談、優先審査の実施、申請手数料の減額、試験研究費への助成などが受けられる。