オピオイド対象のREMSの要件固まる
公開日時 2011/05/17 04:00
長時間作用型徐放性製剤オピオイドを製造している製薬企業は、米食品医薬品局(FDA)が同剤の「リスク評価・緩和戦略(REMS)」に求める要件が明らかになったことで、個別製品のREMS策定作業を急いでいる。
FDAは、企業に長時間作用型徐放性製剤オピオイドのREMS案策定を4月19日から120日間の間に求め、2012年初頭には各REMSを承認する考え。業界では、業界ワーキンググループ(IWG)を設置、対応策を検討する。
FDAはREMSの内容について、まず、RMES実施に当たっては、業界が集団として共通理解をすることを理念として求めたうえで、医師・患者向け教育プログラムに盛り込む情報のリストを提示、さらに疾病管理に加え、オピオイドの乱用・誤使用を防止する方策を必須事項として求めた。また、教育資料は販促物であってはならないことを強調した。
IWGは、企業規模が様々だけにコスト負担の問題が悩みの種となっている。企業にとっては、REMSを実施する場合の処方者(医師)の訓練、薬局・患者向け投薬ガイドの作成、REMSが乱用・誤使用防止に役立っているか評価するためのインフラの構築などのコストを無視できない。負担をどのように公平にするかかが課題となっている。
さらに企業の頭を悩ますのは、連邦議会がオピオイドの乱用・誤使用を防止するために、麻薬取締局(DEA)への登録を前提条件として医師教育を求める法律を通過させない場合、FDAが登録制の代わりに厳しい医師教育を求めるために企業負担が増えるという懸念もある。FDAは、乱用・誤使用が減少するなら、コストがいくらかかっても、この種のシステムを実行することを望んでおり、業界にとっては厳しい対応を迫られている。
(The Pink Sheet 4月25日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから