ヤクルト本社 マルチキナーゼ阻害の抗がん剤を開発へ
公開日時 2011/02/23 04:01
ヤクルト本社は2月22日、米のバイオベンチャーであるプロアクタ社が保有する不可逆的なマルチキナーゼ阻害型の抗がん剤「PR509」の共同開発と商業化について契約を締結したと発表した。米国で両社が行う非臨床試験、初期臨床試験の結果を見て、日本での開発を検討する。
当面は、エルロチニブやゲフィチニブ耐性の非小細胞肺がんの治療薬として開発を進める方針。契約では、日本での開発・商業化は、ヤクルト本社がオプションとして保有している状態。契約に伴う金銭的やりとりは開示していない。
PR509は、低酸素活性型プロドラッグ。固形がんでは極めて低酸素な状態になることに着目した薬剤で、低酸素状態になると薬剤活性が高まる。そのため副作用が抑えられる。また、標的分子となるEGFRに対して不可逆的に作用するため、薬剤耐性も起きにくいと考えられている。