臨床開発の観点から─コスト削減と開発期間の短縮
公開日時 2010/10/28 00:00
日本にドラッグ・ラグが生じた主な要因は、間違いなく、治験実施に要するコストが高く、期間も長いことにある。治験の実施期間が長いということは、結果として投資額を押し上げ、欧米製薬企業は日本での開発を躊躇する。加えて、欧米製薬企業の日本市場に関する理解度が十分でなかったため、いわゆる「社内ドラッグ・ラグ」が生じたとも考えられる。短期連載の第2回目は、アストラゼネカ日本法人(以下、AZKK)がどのようにして「コスト」と「開発期間」の課題に取り組んだのかを紹介する。日本の臨床開発は「売り手市場」「日本では、例えば医師や医療機関に治験を実施するインセンティブがあまりないため、治験コストが非常に高い。施設は高額の手数料を請求する。治験の実施を助けるインフラも乏しい。つまり、売り手市場というわけだ」AZKK...