ビクトーザに安全性情報 「本剤はインスリンの代替薬ではない」
公開日時 2010/10/14 04:00
ノボ ノルディスク ファーマのGLP-1受容体作動薬「ビクトーザ皮下注18mg」(一般名:リラグルチド(遺伝子組換え))について、インスリン治療から切り替えた症例で糖尿病性ケトアシドーシスや高血糖が発現していたことを受け、厚生労働省は10月12日付で同社に対し、添付文書の改訂を指示するとともに、医療関係者に速やかに情報提供するよう指導した。これを受けてノボは同日、「使用上の注意」を改訂し、安全性情報(ブルーレター)の配布を始めた。
改訂内容は、「本剤はインスリンの代替薬ではない」「本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断すること」などの追記。
ビクトーザ発売後の6月11日~10月7日の市販直後調査で、投与症例全体で糖尿病ケトアシドーシスが4例(うち死亡2例)、高血糖16例が発現したことが判明した。これら計20例のうち17例がインスリン治療を中止し、ビクトーザに切り替えた後に発症したものだった。
ビクトーザはインスリンを分泌させる膵β細胞がほとんど、あるいは全く機能していない患者、例えばインスリン依存状態の患者には効果が現れない。このような患者にインスリンの代わりにビクトーザを投与した場合、血糖コントロールが急激に悪化し、生命を脅かす状態になる可能性がある。