アメリカの医療過疎問題
公開日時 2010/08/30 04:00
米国人口の25%がいわゆる過疎地と呼ばれてもよい地方に住んでいるが、こうした地域で働く医師は医師人口の10%に満たない。人口1万人あたりの歯科医師の数は、都市では60人であるのに対し地方では40人だ。病院も地方には少ない。(ジャーナリスト・西村由美子)過疎と関連して、地方で起きる交通事故は全米総事故数の1/3なのに、交通事故死者は地方が2/3である。地方では飲酒や喫煙率が高く、高血圧などの慢性疾患も多い。また、男性の自殺率が都市に比して著しく高いなど問題も多い。加えて、高齢化が急速に進行しており、その結果、地方住民はさまざまな成人病を抱えながら医療過疎に苦しんでいる。実はこのような医療の資源配分の不均衡は米国医療費を押し上げる要因となっている。医師や医療機関から遠く隔たっているために慢性疾患...