米国発 エイズの30年
公開日時 2013/04/12 04:00
米国でエイズがエピデミックとして認定されて30年がすぎた。だが、残念ながら、米国では依然として新規感染者が出続けている。2011年には新たに約5万人がHIV陽性と認定され、3万2000人が新たにエイズを発症した。エイズとの闘いは終わっていない。(医療ジャーナリスト西村由美子)この30年、治療方法は長足の進歩を遂げた。1990年代半ばまで、エイズ患者の4人に3人は発症後10年以内に死亡していたのであるが、90年代半ば以降に抗レトロウィルス療法が広く導入されたあたりから、エイズのサバイバル・レートは着実に向上し、今日では20年以上生存する患者も少なくない。カリフォルニア州オークランドに住む63歳のJoeyWeverもその1人である。X線技師であったJoeyは1996年にエイズと診断され、治療初期...