FDA・Advisory Committee Ticagrelorを承認勧告
公開日時 2010/07/30 04:00
英アストラゼネカは7月29日、米FDAの諮問委員会のAdvisory Committeeが抗血小板薬・Ticagrelorの承認を推奨したと発表した。同日行われた委員会では、PCI施行後の非ST上昇型、ST上昇型の急性冠症候群(ACS)に対する承認については、「認める」7人に対し、認めない1人で、推奨された。
また、薬物治療で管理されたST上昇型、非ST上昇型のACSに対しても、「認める」7人に対し、「認めない」1人で推奨された。
Ticagrelorは、血小板のADP受容体であるP2Y12受容体と結合し、血栓の形成を抑制する薬剤。既存薬であるクロピドグレルやプラスグレルが肝臓で代謝されて初めて効果を発現するのに対し、すでに活性代謝物であることから、迅速な効果発現が期待されている。
同剤の承認勧告のエビデンスとなったのが、同剤のフェーズ3である「PLATO」試験だ。中等度~高度ハイリスクのACS患者1万8624人を対象に、アスピリンをベースに▽Ticagrelor上乗せ群9333人▽クロピドグレル上乗せ群9291人――に分け、治療効果を比較した。主要評価項目の心血管死・心筋梗塞・脳卒中発症の複合エンドポイント。試験開始1年時点での主要評価項目の発症率は、クロピドグレル群11.7%に対し、Ticagrelor群9.8%で、Ticagrelor群で有意に発症を抑制している。