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中医協総会 ノバルティスのDPP-4阻害薬など10成分13品目の薬価収載了承

公開日時 2010/04/01 04:01

中医協は3月31日に総会を開き、ノバルティス ファーマの糖尿病治療薬「エクア錠」(一般名=ビルダグリプチン)や塩野義製薬の抗うつ薬「サインバルタカプセル」(デュロキセチン塩酸塩)など10成分13品目の薬価収載を了承した。薬価収載予定日は4月16日。今回の薬価収載予定品には10年度薬価制度改革による新たな薬価算定ルールが採用され、ノバルティスの降圧配合剤「エックスフォージ配合錠」(バルサルタン・アムロジピン)と第一三共の降圧配合剤「レザルタス配合錠」(オルメサルタン・アゼルニジピン)が新ルールで算定された。

エクア錠50mgは2型糖尿病を効能・効果とするDPP-4阻害薬。国内初のDPP-4阻害薬シタグリプチンを比較薬に類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定され、エクア錠50mgは1錠104.70円(1日薬価209.40円)となった。初年度は9.4億円、ピーク時の10年後に274.9億円を見込む。

サインバルタはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)で、米イーライリリーが創製した。日本では塩野義と日本イーライリリーが共同開発し、共同販売する。同剤の薬価算定はミルタザピンを比較薬に類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定。サインバルタカプセル20mgが169.30円(1日薬価338.60円)、同30mgが230.50円となった。初年度は34.8億円、5年後のピーク時に244億円を見込む。

一方、配合剤には新たな薬価算定ルールが採用され、当該成分同士の併用療法と比べて0.8倍以下の薬価となった。ノバルティスのエックスフォージ配合錠は自社品のバルサルタン80mgとアムロジピン5mgの配合錠だが、新ルールにより、バルサルタン80mg単剤の0.8倍に、アムロジピン後発品の最低価格29.90円を足して算定した。これによりエックスフォージは1錠130.10円(1日薬価130.10円)となり、バルサルタンとアムロジピンの先発品同士の併用の単純合算190.20円に比べて0.68倍の薬価となった。エックスフォージは初年度27.7億円、5年後のピーク時で426.5億円を見込む。

レザルタス配合錠は第一三共の自社品同士の組み合わせで、いずれの成分にも後発品が収載されていないため、自社先発品の薬価の0.8倍で算定された。オルメサルタン20mgとアゼルニジピン16mgの汎用規格同士の組み合わせのレザルタス配合錠HDは1錠170.10円(1日薬価170.10円)、オルメサルタン10mgとアゼルニジピン8mgを組み合わせたレザルタス配合錠LDは1錠91.00円となった。初年度は46億円、7年後のピーク時で476億円を見込む。エックスフォージ、レザルタスともにARBとCa拮抗剤による国内初の配合剤で市場競争が激化しそうだ。

大日本住友製薬の糖尿病治療薬「メトグルコ錠250mg」(メトホルミン塩酸塩)は原価計算方式で算定され、1錠9.90円(1日薬価29.70~59.40円)となった。同剤は同社の糖尿病治療薬メルビンと同一成分だが、1日最高投与量を2250mgとしたもの。メトグルコの開発コストを踏まえた結果、約50年前から発売されているメルビンの一変申請では開発コストを回収できないことなどから、新薬扱いとなった。原価計算方式で算定されたが、算定に用いる営業利益率は5%減算されて18.2%となった。

メトグルコをめぐっては中医協総会で、診療側から、14日処方制限の対象にすべきではないとの意見が出た。メトホルミンは過去から使用し使い勝手がわかっていること、長期処方可能な他の糖尿病治療薬と併用する場合にメトグルコだけ14日処方では使い勝手が悪いこと――が理由で、今後、中医協で議論することになった。

●ヒトGLP-1アナログ「ビクトーザ皮下注」 薬価収載は次回以降に見送り

そのほか、ノバルティスの抗がん剤「アフィニトール錠5mg」(エベロリムス)は原価計算方式で算定。有効な治療法のない患者に対して同剤は無増悪生存期間の延長効果を示したことから、営業利益率で10%加算(21.1%)が付き、薬価は1万2711.10円となった。

シェリング・プラウの解毒剤「ブリディオン静注」(スガマデクスナトリウム)も原価計算方式で算定。新規の薬理作用に加え、既存薬で無効な「深い筋弛緩状態」などの患者にも有効なため、営業利益率で20%加算(23.0%)が付いた結果、同200mg2mL1瓶が9947円、同500mg5mL1瓶が2万3652円となった。

大鵬薬品の制吐薬「アロキシ静注0.75mg」(パロノセトロン塩酸塩)はラモセトロンを比較薬に類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定。既存薬にない遅発期の悪心・嘔吐に対する有効性が示されているため有用性加算Ⅱ(A=10(%))が付き、薬価は0.75mg5mL1瓶1万4522円となった。

ファイザーの緑内障用配合点眼液「ザラカム配合点眼液」(ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩)は類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定され、薬価は1mL1306円(1日薬価65.30円)。

シェリング・プラウの悪性神経膠腫用薬「テモダール点滴静注用100mg」(テモゾロミド)は同成分のカプセル剤を比較薬に類似薬効比較方式(Ⅰ)で算定され、薬価は100mg1瓶3万6794円(1日薬価1万4783円)となった。

一方、ノボ ノルディスクファーマの主力品候補の糖尿病治療薬「ビクトーザ皮下注」(リラグルチド)は「メーカーと薬価面で折り合えなかった」(厚労省保険局医療課)ため、この日の総会の審議品目に挙がらなかった。ビクトーザは次回6月の薬価収載を目指すことになる。

訂正(8月10日午前11時)

ザラカム配合点眼液の薬価が1036円とありましたが、正しくは1306円です。訂正しました。

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