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新薬12製品が薬価収載 経口PNH治療薬・ファビハルタなど3製品が即日発売

公開日時 2024/08/19 04:52
新薬12製品が8月15日に薬価収載された。各社の発表資料やミクスの調べでは、即日発売したのは発作性夜間ヘモグロビン尿症治療薬・ファビハルタカプセル(ノバルティス ファーマ)、骨髄線維症治療薬・オムジャラ錠(グラクソ・スミスクライン)、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症治療薬・アビガン錠(富士フイルム富山化学)――の3製品。アビガンは承認取得日(6月24日)からSFTSウイルス感染症に対する倫理的無償提供プログラムを実施していたが、当初の予定通り、薬価収載の前日(8月14日)で終了した。

このほか、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫治療薬・ジャイパーカ錠(日本イーライリリー)が8月21日発売予定、アトピー性皮膚炎及び尋常性乾癬の治療薬・ブイタマークリーム(日本たばこ産業)は10月29日発売予定。

薬価収載された新薬12製品の発売日(予定、未定含む)は次のとおり。カッコ内は成分名、製造販売元。

【8月15日発売】
ファビハルタカプセル200mg(イプタコパン塩酸塩水和物、ノバルティス ファーマ)
薬効分類:399 他に分類されない代謝性医薬品(内用薬)
効能・効果:発作性夜間ヘモグロビン尿症
薬価:200mg1カプセル 7万3218.10円 (1日薬価:14万6436.20円)

補体B因子阻害薬。用法・用量は「通常、成人には1回200mgを1日2回経口投与する」となり、経口単剤療法で承認された。発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対する経口薬としては、補体D因子阻害薬・ダニコパン(ボイデヤ錠)があるが、ボイデヤは補体C5阻害薬(注射剤)との併用療法で承認されている。ノバルティスは「ファビハルタは単剤で使用可能な唯一の経口治療薬」だとしている。

オムジャラ錠100mg、同錠150mg、同錠200mg(モメロチニブ塩酸塩水和物、グラクソ・スミスクライン)
薬効分類429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:骨髄線維症
薬価:
100mg1錠 2万1214.00円
150mg1錠 3万1821.00円
200mg1錠 4万2428.00円(1日薬価:4万2428.00円)

JAK1、JAK2の阻害に加え、アクチビンA受容体1型(ACVR1)阻害という3つ目の新規のシグナル伝達経路を阻害する独自の作用機序を持つ。用法・用量は「通常、成人には200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。GSKのポール・リレット社長は「日本では約10年ぶりの骨髄線維症の新薬」だとコメントしている。

国内で骨髄線維症の適応を持つJAK阻害剤として、ノバルティス ファーマのジャカビがある。

アビガン錠200 mg(ファビピラビル、富士フイルム富山化学)
薬効分類:625 抗ウイルス剤(内用薬)
効能・効果:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症
薬価:200mg1錠 3万9862.50円

RNAポリメラーゼ阻害剤。抗インフルエンザ薬として承認された際にアビガンに付された「厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売を行わないこと」といった一部承認条件を重症熱性血小板減少症候群(SFTS)には適用しないことを含め、承認された。流通管理は、▽原則として入院管理下のみで投与する、▽原則として患者が発生した後に納入する、▽研修を受けて登録された医師のみ処方を可能とする――となる。

なお、アビガンの効能・効果にある「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)」では、一般流通していない。

【8月21日発売予定】
ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(ピルトブルチニブ、日本イーライリリー)
薬効分類429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫
薬価:50mg1錠 1万201.00円
100mg1錠 1万9465.80円(1日薬価:3万8931.60円)

ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤。用法・用量は「通常、成人にはピルトブルチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。24年3月に締結したアライアンス契約に基づき、日本イーライリリーが製品供給を担当し、日本新薬が流通、販売、情報提供活動を行う。

国内でBTK阻害剤としては、ヤンセンファーマのイムブルビカカプセル(イブルチニブ)がマントル細胞リンパ腫1次治療の適応を持っている。

【10月29日発売予定】
ブイタマークリーム1%(タピナロフ、日本たばこ産業)
薬効分類269 その他の外皮用薬(外用薬)
効能・効果:アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬
薬価:1%1g 300.80円(1日薬価:601.60円)

アリル炭化水素受容体(AhR)調整薬の外用剤。アトピー性皮膚炎の用法・用量は「通常、成人及び12歳以上の小児には、1日1回、適量を患部に塗布する」、尋常性乾癬は「通常、成人には、1日1回、適量を患部に塗布する」。本剤は日本たばこ産業(JT)と鳥居薬品が共同開発したもので、鳥居薬品が販売する。

アトピー性皮膚炎の治療の中心は抗炎症外用剤であり、ステロイド外用剤やタクロリムス軟膏に加え、新たな選択肢としてJAK阻害薬・コレクチム軟膏が20年1月に、PDE4阻害薬・モイゼルト軟膏が21年9月に承認されている。コレクチムとモイゼルトはいずれも1日2回塗布となっている。一方、尋常性乾癬の外用療法には、活性型ビタミンD3外用剤とステロイド外用剤が広く使用されている。

【発売日調整中/未定/不明】
ブリィビアクト錠25mg、同錠50mg(ブリーバラセタム、ユーシービージャパン)
薬効分類:113 抗てんかん剤(内用薬)
効能・効果:てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
薬価:
25mg1錠 373.30円(1日薬価:746.60円)
50mg1錠 609.30円

レベチラセタムと同様に、てんかん発作に関わるとされる脳内の神経終末にあるシナプス小胞タンパク2A(SV2A)に結合することにより作用を発揮すると考えられている。錠剤の用法・用量は、「通常、成人には1日50mgを1日2回に分けて経口投与する。なお、症状により1日200mgを超えない範囲で適宜増減できる」。

ジンタス錠(ヒスチジン亜鉛水和物、ノーベルファーマ)
薬効分類:322 無機質製剤(内用薬)
効能・効果:低亜鉛血症
薬価:50mg1錠 232.90円(1日薬価:465.80円)

亜鉛を含有する医薬品。 同剤を投与することで血中の亜鉛濃度の上昇を期待する。開発コードはNPC-25。用法・用量は、「通常、成人及び体重30kg以上の小児では、亜鉛として、1回50~100mgを開始用量とし1日1回食後に経口投与する。なお、血清亜鉛濃度や患者の状態により適宜増減するが、1日1回150mgを超えないこと」。

ハイイータン錠 50mg(グマロンチニブ水和物、海和製薬)
薬効分類429 その他の腫瘍用薬(内用薬)
効能・効果:MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん
薬価:50mg1錠 4382.30円(1日薬価:2万6293.80円)

経口MET阻害薬。用法・用量は「通常、成人には1回300 mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。

海和(読み:ハイヘ)製薬は、中国Haihe Biopharmaの日本法人。ハイイータン錠が日本進出の第1号製品となる。大鵬薬品との本剤の開発・製造・販売に関する独占的ライセンス契約に基づき、大鵬薬品が情報提供活動及び販売を行う。

国内の同種同効薬にはメルクバイオファーマのテプミトコやノバルティス ファーマのタブレクタがある。

リブテンシティ錠200mg(マリバビル、武田薬品)
薬効分類:625 抗ウイルス剤(内用薬)
効能・効果:臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症
薬価:200mg1錠 3万7536.20円

経口投与可能なpUL97キナーゼ阻害薬。pUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する最初で唯一の抗ウイルス剤。用法・用量は「通常、成人には1回400mgを1日2回経口投与する」。

臓器移植におけるCMV感染症対策として予防的投与と先制治療が行われている。国内で先制治療に用いられる既承認の抗CMV薬にはガンシクロビルなどがある。予防的投与の位置付けでは、MSDのプレバイミスが承認されている。

ザビセフタ配合点滴静注用(アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物、ファイザー)
薬効分類613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの(注射薬)
効能・効果:本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌による敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍
薬価:(2.5g)1瓶 1万6111円(1日薬価:4万8333円)

セフェム系抗菌薬・セフタジジム水和物に、新規のβ-ラクタマーゼ阻害薬・アビバクタムナトリウムを配合した注射用β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤。薬剤耐性(AMR)対策への新たな治療選択肢として開発された。

セプーロチン静注用1000単位(乾燥濃縮人プロテインC、武田薬品)
薬効分類:634 血液製剤類(注射薬)
効能・効果:先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症及び電撃性紫斑病の治療及び血栓形成傾向の抑制
薬価:1,000国際単位1瓶(溶解液付) 55万8108円 (1日薬価:267万8918円)

ヒト血漿を分画して精製し、ウイルスの除去および不活化処理を施した静脈内注射用の乾燥濃縮人プロテインC製剤。用法・用量は、▽急性期治療及び血栓形成傾向の抑制における短期補充(周術期、抗凝固療法開始時等)、▽血栓形成傾向の抑制における長期補充――で設定される。

対象疾患である先天性プロテインC欠乏症は、肝臓で産生されて血液凝固を抑制する働きがあるプロテインCを先天的に欠乏していることにより血液凝固亢進状態となり、ときに致死的な血栓症を発症する。セプーロチンは、内因性プロテインCと同様に抗凝固作用を発揮する。

小児用レルベア50エリプタ14吸入用、同50エリプタ30吸入用(フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロールトリフェニル酢酸塩、グラクソ・スミスクライン)
薬効分類:229 その他の呼吸器官用薬(外用薬)
効能・効果:気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)
薬価:
14吸入1キット 2367.40円
30吸入1キット 4846.80円(1日薬価:161.60円)

ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬(LABA)の配合剤。2013年9月に成人気管支喘息の適応で承認されており、24年6月に小児用量の追加と小児用の剤形追加が承認された。

小児気管支喘息に対する用法・用量は、5歳以上12歳未満の小児に対しては通常、「小児用レルベア50エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして50μg)を1日1回吸入投与する」。12歳以上の小児に対しては通常、「レルベア100エリプタ1吸入(ビランテロールとして25μg及びフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして100μg)を1日1回吸入投与する」。
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