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社保審・医療部会 診療報酬改定基本方針「医療費の底上げを」強調

公開日時 2009/12/04 04:02

厚生労働省の社会保障審議会医療部会は12月3日、厚労省が提案した10年度診療報酬改定の基本方針案について議論し、大筋で合意した。今後は医療保険部会と医療部会の両部会長によるすり合わせを行い、中医協に提言する基本方針としたい考え。ただ、医療費に関する記載について、同案では医療費の底上げと再配分の両論併記となっていたが、医療部会では医療費の底上げに力点を置く方向を確認。これをもって医療保険部会とすり合わせる。

同案では医療費の考え方について、前回の診療報酬改定で医師不足などの課題に重点的にあてたが必ずしも課題は解消されていないとした上で、「このような状況に対しては医療費全体で底上げを行うことにより対応するべきであるとの意見」と、国民生活も保険財政も厳しい状況にあるなか「医療費全体を引き上げる状況にはなく、限られた財源のなかで医療費の配分を大幅な見直しを行うことにより対応すべきとの意見」の両論を併記した。

これに対し、医療関係者の委員からは「底上げしなくてもいいという意見にも読み取れる。底上げする文章に強く書いてほしい」「今回は大幅なアップをしないと意味がない」といった声に賛同を示す意見が相次いだ。保険者側の委員からは慎重な意見もあったが、患者側からは「適正配分をしつつ、底上げではないか。逆は違和感がある」という声などもあった。これらを受けて斎藤英彦部会長(名古屋セントラル病院院長)は、「全体の底上げが必要といった部分に力点を置きたい」とまとめ、医療部会としては医療費の底上げを求める意見を明記する方向で一致した。

診療報酬改定は、政府が決定した改定率に基づき、社保審の医療部会・医療保険部会が示した基本方針に沿って中医協が具体的な点数を設定する。厚労省は「コンパクトなものでないと読んでもらえない」ため、両部会の意見を一本化する方向で進めたいとしている。

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