米セファロン社は、積極的にバイオ医薬品分野のパイプライン強化を進めている。今年に入り抗インターロイキン5モノクローナル抗体のレスリズマブを有するCeption Therapeutics(本社・ペンシルバニア州)の買収、Immuno Pharma社(本社・ロンドン)の有する全身性エリテマトーデス治療薬Lupuzorのライセンス取得、8月にはオーストラリアのArana社の買収完了など矢継ぎ早に規模拡大戦略に着手。10月には抗腫瘍壊死因子阻害薬を有するBioAssets Development社の買収オプション取得で合意した。
こうした戦略の背景には、08年売上高9億8840万ドルと同社売上の約半分を占める睡眠障害治療薬プロビジルが2012年に特許切れを迎えることが大きいとされ、同社は提携を通じてこれまでの睡眠障害、疼痛分野を中心とする製品ラインを多様化させたい意向。
なかでもセファロン社が期待を寄せているのはCeptionが抱え、自己免疫性疾患の一種である好酸球性食道炎を適応症に臨床試験が進行中のレスリズマブ。
好酸球性食道炎はアメリカで約8万人の小児患者がいるが、ステロイド剤が一部症例で有効性を示す以外は治療薬がない。2010年に見込まれている上市以後、同疾患ではブレイクスルーになる可能性が指摘されている。また、好酸球が気管支喘息にも関与していることから成人の気管支喘息を適応としたレスリズマブのフェーズ2試験も進行中という。