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新薬承認遅らせる審査プロセス分析 東大と政策研

公開日時 2009/09/11 04:02

日本における新医薬品の開発期間スライド東京大学大学院薬学研究科と日本製薬工業協会の医薬産業政策研究所は9月10日、共同で調査した「日本における新医薬品の開発期間―臨床開発期間と審査期間の動向―」を発表した。この中で新薬承認を遅らせる審査プロセスを分析した結果、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が2回目の申請資料の問題点を指摘する追加照会事項をメーカーが入手してから、次のステップであるPMDAとの専門協議に移るまでのプロセスが、他のプロセスより圧倒的に長い時間がかかっていることが判明した。

08年に承認された品目(04年4月以降に申請された品目対象)にかかった審査期間は、通常審査品目で審査に21.9ヵ月(07年21.7ヵ月)、優先審査品目15.0ヵ月(同14.3ヵ月)。PMDAが掲げる審査期間の目標(通常品目20ヵ月、優先品目12ヵ月)は達成していなかった。

そこで承認を遅らせる要因を05~08年に承認された品目の審査プロセスから分析した。承認申請したあと、初回の面談でPMDAは申請資料について評価手法の妥当性、その根拠などをメーカー側に照会したりする。初回面談での照会事項をメーカーが入手し、回答するまでは通常品目で2.4ヵ月と、優先審査品目の2.0ヵ月と大差なかった。

しかし、初回照会事項の回答から、さらにPMDAが問題点を指摘する「追加照会事項」を入手するまでに要する期間となると、優先品目0.7ヵ月に対し通常品目は2.1ヵ月、「追加照会事項の入手」から「専門協議」までの期間では優先品目3.6ヵ月、通常品目では6.6ヵ月かかっていることが明らかになった。

この点について政策研の石橋太郎主任研究員は、優先品目では通常品目に比べ半分程度の期間で済んでいることから、「通常品目にかかった長い期間の多くは専門協議の順番待ちの時間と考えられる」と指摘、改善のため審査スタッフ、審査チーム数を増やすことが必要だとした。また、メーカー側が事前にスタッフの確保など準備ができるよう協議スケジュールなどを事前に明らかにするなど透明性ある運営も求められるとした。

そのほか調査では、PMDAの審査担当分野によって、審査期間に大きなバラツキがあることも明らかになった。品目の中身や品目数が影響しているとみられるという。メーカー側の不手際の可能性もあるものの、審査担当分野ごとに審査手順が異なるケースがあることから「平準化してほしいという意見が自由記載欄にはかなりあった」(石橋氏)という。

東大と政策研は、この調査結果を審査の改善に役立てたい考え。

 

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