帝人・森山専務 フェブリクの後発品切り替え鈍化も24年度通期でマイナス影響見込む 選定療養影響で
公開日時 2024/11/08 04:50
帝人の森山直彦代表取締役専務執行役員は11月7日の2024年度第2四半期決算会見で、主力品である痛風・高尿酸血症治療薬フェブリクの後発品への切り替えについて「もう少し急激に進むかと思っていたが、ある程度弱まってきた」との見方を示した。一方で、長期収載品の選定療養によって「どのくらい落ちるのかという見込みは難しい」との認識を示した。通期計画では、金額は非開示としつつ「マイナス影響を一定程度織り込んだ」と説明した。
◎24年度上期 ヘルスケアセグメントは減収減益 薬価改定や消耗品コスト増がマイナス影響
同社が発表した24年度第2四半期決算のうち、医療用医薬品を含むヘルスケアセグメントでは売上高が前年同期比2.0%減の693億円、事業利益は40.5%減の54億円だった。持続陽圧呼吸療法用治療器(CPAP)のレンタル台数や骨粗鬆症治療薬オスタバロの販売量が好調に推移したものの、薬価改定や在宅医療での消耗品コスト増などがマイナスに影響し、減収減益だった。
通期の業績見通しでも売上高は前期比47億円減の1400億円、事業利益は112億円減の70億円の減収減益の見通し。固定費削減効果や上期同様のプラス要因はあるが、薬価改定の影響と23年度にあった導出一時金計上の反動が響いた。ヘルスケアセグメントでの苦境は続くが、「第1四半期の終わりごろからCPAPの販売量が非常に伸びている」(森山氏)として、事業利益は前回見通しの60億円から10億円上方修正した。
なお、同社では24年度から経常的な事業収益を示す業績管理指標として「事業利益」を設定。営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な要因により発生した損益を除いて算出した額を開示している。
帝人ヘルスケアセグメント
【24年度第2四半期業績(前年同期比) 通期予想(前期実績比)】
売上高 693億円(2.0%減) 1400億円(47億円減)
事業利益 54億円(40.5%減) 70億円(112億円減)
※事業利益は営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な要因により発生した損益を除いて算出
【24年度第2四半期国内主要製品売上(前年同期実績)、億円】
糖尿病治療薬4製品合計 105(121)
ネシーナ 51(59)
イニシンク 33(36)
リオベル 13(15)
ザファテック 8(11)
フェブリク 25(41)
ボナロン 29(32)
ソマチュリン 31(30)
ベニロン 32(28)
オスタバロ 14(ー)
ロコア 9(9)
ゼオマイン 12(10)
ムコソルバン 6(9)