認知症新薬の登場 「知らなかった」患者家族の半数 ノバルティス調査で
公開日時 2012/04/25 04:02
ノバルティスファーマは4月23日、在宅で認知症患者を介護している患者家族(介護者)300人を対象に行った介護療養生活に関する調査の結果を発表した。その中で、認知症薬が1剤だけの状態から11年に3つの新薬が登場したことについて尋ねたところ、55.7%が「知らなかった」と回答した。新薬登場は医療界で大きな話題となったが、医療者を通じて患者まで新薬情報が十分に届いていないことが明らかになった。
調査はアルツハイマー型認知症(AD)治療薬を服用している患者を介護している者を対象に3月にインターネットで行われた。患者の進行度は軽度64.3%、中等度が35.7%で、治療薬の満足度については「やや満足」が46.7%、「あまり満足していない」40.3%と割れた。
不満の理由までは尋ねていないが、治療薬の期待する効果(複数回答)については、単純な会話や指示を理解するようになることや、自ら正しく薬を服用できるようになることが、共に半数前後に上っている。ただし、この2つができないことが、介護者にとって最もストレスであることも示されており、この改善が思うように進まないことに不満を感じていると見ることもできる。
そういった家族との会話など日常生活を営めなくなることは「生活障害」と呼ばれ、介護負担が重くなることから介護者は、強いストレスを感じることがあり、54.3%は「生活する機能を維持・改善する」治療を望んでいた。
ノバルティスとしては、11年7月に発売した貼付型AD治療薬イクセロンパッチは、AD治療薬では唯一、生活障害の改善効果のエビデンス(承認申請資料の一部)を持っているとして情報提供に生かしていきたい考え。