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ジャディアンスが初の首位 想起医師数1万5800人、前回調査比2.5倍 CKD適応取得で 4月調査

公開日時 2024/07/03 04:52
「MR活動」や「講演会」などのプロモーション系情報チャネルによって医師に想起された製品ランキングで、SGLT2阻害薬・ジャディアンスが最新の2024年4月調査で初めて首位に立った。想起医師数は前回1月調査から2.5倍となる1万5800人(拡大推計、100人未満切捨て)で、この65%にあたる1万200人は「MR活動」をきっかけに想起していた。ジャディアンスは2月に慢性腎臓病(CKD)の適応を取得。本剤を共同販促する日本ベーリンガーインゲルハイムと日本イーライリリーのMRがCKD適応に関する積極的なプロモーション活動を展開したことが垣間見える結果となった。

文末の「関連ファイル」に、医師に想起された製品ランキングトップ10の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。無料トライアルはこちら)。

ジャディアンスの4月の想起医師数は前回調査から約9500人増えた。想起医師数ランキングは前回4位から今回1位となった。チャネル別では、「MR活動」で約6100人増の1万200人が想起し、「MR活動」による想起ランキングは前回5位から今回1位。「講演会」でも想起医師数を伸ばし、約2300人増の3300人が想起し、ランキングは前回15位から今回3位に伸びた。自社サイトやサードパーティによる情報発信を指す「eマーケティング」では約900人増の2000人が想起し、ランキングは前回15位から今回5位となった。

全国6エリア別に想起医師数ランキングをみても、ジャディアンスは北海道・東北、関東、近畿、九州の4エリアで1位を獲得。この4エリアでは「MR活動」による想起医師数でも1位となり、中部と中国・四国の2エリアは2位だった。MRによるプロモーションが全国で強化され、医師の記憶にもしっかり残ったことが本調査からも確認できる。

ジャディアンスのCKD適応の承認は、糖尿病の有無やアルブミン尿の有無を問わない6609人(うち日本人612人)のCKD患者を対象としたEMPA-KIDNEY試験の結果に基づく。本試験の最大の特徴は、尿たんぱくが正常な「A1」区分の患者を含む幅広いeGFRのCKDを対象とした初のSGLT2阻害薬の臨床試験ということ。日常診療でよく見られるCKD患者を対象とした試験ということから医師の関心も高く、今回の想起医師数の急増にもその“関心度合い”が表れたと言えそうだ。なお、本試験では、ジャディアンスの投与により、主要評価項目であるCKDの進行または心血管死のリスクがプラセボ投与群に比べて28%低下し、統計学的有意差が認められた。

◎フォシーガの想起医師数も伸長 CKD市場で競争激化

ジャディアンスと同じSGLT2阻害薬で、21年8月にCKDの適応を追加したフォシーガ(アストラゼネカ/小野薬品)の想起医師数は約2400人増の1万3900人だった。この1年間は1万1000人~1万2000人台で推移していた想起医師数が4月に大きく伸びた。フォシーガは現在CKD適応で処方が伸びており、競合品ジャディアンスにCKD適応が追加されて競争が激化したことが、今回の調査結果に反映したとみられる。なお、フォシーガの想起医師数ランキングは前回2位から今回3位となった。

このほか、前回調査まで1位の座にいたエンレスト(ノバルティス ファーマ/大塚製薬)は今回2位となった。想起医師数は約1500人増の1万4800人。減少傾向にあった想起医師数は若干持ち直したものの、ジャディアンスの急伸に首位の座を明け渡す格好となった。

4月のプロモーション系情報チャネルによる製品想起トップ10製品と推計想起医師数(100人未満切捨て)は以下の通り。製品名の「*」は今回トップ10入りした製品のこと。

1位 ジャディアンス 想起医師数1万5800人
2位 エンレスト 想起医師数1万4800人
3位 フォシーガ 想起医師数1万3900人
4位 アリドネ* 想起医師数7400人
5位 マンジャロ 想起医師数6900人
6位 ケレンディア* 想起医師数6400人
7位 リベルサス 想起医師数6400人
8位 ビラノア* 想起医師数6300人
9位 ゴービック* 想起医師数6300人
10位 アミティーザ* 想起医師数6300人
・6位と7位、及び8位~10位は100人未満の想起医師数でランキングした

本調査は、インテージヘルスケアが提供する医師約1万人を対象に情報チャネルごとの製品想起状況などをトラッキングする「SOC(=Share of Channels)」によるもの。SOCは、主に「MR活動」、「講演会(Web含む)」、自社サイトやサードパーティによる情報発信を指す「eマーケティング」で構成するプロモーション系情報チャネルによる製品想起と、主に「医師の使用感評価」や「患者の声」などのプッシュ型ではないノンプロモーション系情報チャネルにわけ、製品想起状況が把握できる。同調査は1月、4月、7月、10月に実施している。

ミクスではSOCデータを用いて、ミクスOnlineの会員向けに全国及びエリア別にチャネル別の製品想起ランキングトップ10を公開しています(連載タイトル「おくすり想起ランキング」はこちら無料トライアルはこちら)。


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