提供：クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社　

新時代のリーダーＭＲを育成する
「クインタイルズ・オープン・アカデミー　～新時代のＭＲはここから～」開講

今年はＭＲが誕生して100年。時に社会保障、医療行政が大きな節目にあり、接待規制の見直し、透明性ガイドライン（GL）が実施。ＭＲを取り巻く環境の変化は大きく、ＭＲ活動は新時代ともいうべきステージを迎える。そこでクインタイルズ・トランスナショナル・ジャパンは、新時代に対応できるＭＲ、活動の姿を描き、実践できるリーダーを育成する「クインタイルズ・オープン・アカデミー　～新時代のＭＲはここから～」を開講。第１回が２月４日に東京都内で開催された。会場には満員の約110人が出席し、講師の話に真剣に耳を傾け、質問する姿が見られた。

ＭＲに必須な「Ｍ・Ｓ・Ｄ」
 

佐藤 睦美 講師

第１講の講師は佐藤睦美氏。製薬企業で営業本部、マーケティング本部に長く従事し、現在「ファルマ・ビジネス・アカデミー」社長。「様変わりする製薬業界とＭＲの生き残り」をテーマに同氏は、自らの取り巻く環境を知ることから始めることを求め、次の分析の実践を勧めた。
 

PEST分析：政治（＝Ｐ 財政、規制等）・経済（＝Ｅ 景気、為替、市場動向等）・社会（＝Ｓ 人口動態、ライフスタイル等）・技術的環境（＝Ｔ 技術革新等）を書き出し、今後起きそうなこと（課題仮説）を抽出
 

VRIO分析：企業各部門がもつ内部資源の価値（Ｖ）、希少性（Ｒ）、模倣困難性（Ｉ）、組織力（Ｏ,※資源を活用できる仕組み）を可視化
 

これらの分析により業界内での自社の「総合力」を認識し、強固な組織を作っていくこと。中でもＭＲは「マーケティング力」を高めていく必要がある。そのためには、既存思考から脱却したラテラルシンキング（前提を疑い、見方を変え、無関係なものを組み合わせて考える）のもとでエリアマーケティングを推進していくことが求められる。
 

そこで同氏は、新時代のＭＲ活動の姿として、顧客の「Multiple」な医療ニーズに対して、それを解決できる「Solution」の引き出しを多く備え、「Detail」できる「Ｍ・Ｓ・Ｄ」を提唱した。

時代は「ソリューション営業」　本社・マネジャーの意識改革も必須
 

小久保 光昭 講師

第２講のテーマは「これからのＭＲ像、リーダー像」。製薬会社でＭＲ、プロダクトマネジャー、医薬研修部長を経て、ＭＲ教育センター（当時）の企画部長を務め、現在「ファーマ・ウィズダム・コンソーシアム」代表の小久保光昭氏が講師に立ち、ＭＲはいかなる変化が迫られるかを示した。
 

透明性GL実施で「依頼を受けた企業の医薬品に関する内容」の業務を請け負う医師が減るとの調査結果や、自社製品の紹介のニーズが低いことなどを挙げ、「自社製品の情報提供に偏った活動（SOV）の是正が必要」と強調。医師、薬剤師のニーズに応える「ソリューション営業」への転換の必要性を指摘した。一例に、医師らと同様に患者を治療するという目的に向け、処方薬の使用後の情報収集（処方意図や効果等）、その中でニーズを把握、情報提供・処方提案をする活動像を示した。
 

ただ、ＭＲだけでは変化は難しいとして、ＭＲの計数的管理の見直しを含め本社、マネジャーの意識改革も不可欠であると指摘した。

新時代のＭＲとは
 

総合討論では、冒頭、司会の「MONTHLYミクス」編集長の沼田佳之氏より、同誌調査から、医師のニーズが高い製品情報は「競合品との客観的な比較」「実地医療での薬の飲み合わせ」との紹介があった。
 

３氏の指摘から、新時代のＭＲとは、単にＳＯＶからの脱却ではなく、医師や薬剤師のMultipleなニーズに対し、それを解決できる多種多様なソリューションを持ち、提供できる「ソリューション営業」の力を持つ者ではないかとの結論に至った。
 

アカデミーでは次回以降も、新時代のＭＲ像を探求し続けていく。