社会保障給付 「現状は維持できない」6割 厚労省調査
公開日時 2011/08/24 04:00
厚労省は8月23日、「社会保障に関するアンケート調査」結果を発表した。それによると社会保障の給付内容について現状は維持できるとするのは25.7%にとどまり、「現状は維持できない」が61.3%だった。特に40代、50代は7割前後に上った。逆に60代以降は年齢が上がるにつれ維持できないという人の割合は低くなり、70代では5割を下回る。同省は「現役世代の負担が限界に近付き、国の財政も厳しい状況にあると認識していることがうかがえる」としている。
調査は、11年版厚生労働白書を作成する際の資料を得ることを目的に、全国2300人を対象に、1342人から回答を得た(回答率58.3%)。
今後の給付と負担のバランスについては、給付水準を下げても「従来と同等負担」を希望するのは22.1%で、給付水準を維持または引きあげるため「負担増容認」が51.4%と最も多かった。しかし、負担増の容認は20代が39.7%と最も低く、年齢が上がるにつれておおむね高くなり、60代が6割台と最も高い結果だった。
この背景には、60代以上では負担した分より少ない給付しか得られないという認識が4割以下なのに対し、40代以下では8割近くに上るという世代間の認識ギャップがあるとみられる。
緊急に見直しが必要な分野については、全体では、年金が66.3%とトップで、次いで介護56.9%、医療53.1%。年齢が低い層は「子ども、子育て関連(妊娠・出産・育児支援)制度」を挙げる割合が高く、年齢が高い層ほど「医療制度」「介護制度」が挙がった。