中外製薬・ソフトバンクなど3社 生成AIで臨床開発業務の革新目指す 共同研究の基本合意締結
公開日時 2025/01/31 04:50
中外製薬とソフトバンク、ソフトバンクグループのSB Intuitionsの3社は1月30日、生成AIを活用して、臨床開発業務の革新に向けた共同研究に取り組む基本合意を締結したと発表した。新薬開発のスピードアップを目指して、まずは臨床開発業務を自律的に実行するAIエージェントと、製薬産業に特化した大規模言語モデル(LLM)の共同開発に取り組む。将来的には製薬・ヘルスケア業界において広く活用されるサービスとして社会実装を目指していくという。
生成AIの導入はアジャイル開発で段階的に実施していく。具体的なイメージとして、治験で必要になる文書の自動生成や、疾患情報・業界規制・社内手順などの情報収集、探索的なデータ解析など特定のタスクに対応するAIエージェントのプロトタイプを開発。その上で臨床開発業務全体に視点を広げ、複数のAIエージェントが連携するマルチエージェントシステムへと発展させていくという。
生成AIの活用により様々なタスクが効率化されることで、臨床試験の実施や新薬の承認申請に要する期間を短縮し、必要な人員と費用の削減が期待される。中外製薬の鈴木貴雄デジタルトランスフォーメーションユニット長は「共創により、生成AIを効果的に活用する基盤を構築する。並行して業界内外の新たなパートナーを巻き込みつつ、製薬・ヘルスケア業界における革新的なサービスの創出を目指していく」と意気込みを語った。