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【中医協薬価専門部会・費用対効果評価専門部会合同部会 10月9日 議事要旨 認知症薬に対する対応】

公開日時 2024/10/10 04:49
中医協薬価専門部会・費用対効果評価専門部会合同部会が10月9日に開かれ、高額医薬品(認知症薬ケサンラ)に対する対応について議論した。本誌は、診療・支払各側委員の質疑について発言内容を議事要旨として公開する。

(事務局説明、略)

安川部会長:ありがとうございました。(事務局から)3つの論点をご提示いただきましたが、それを含めてただいまのご説明についてご質問、ご意見等ございましたらお願いいたします。では、長島委員お願いします。

長島委員:ありがとうございます。資料「薬費-1」22ページ(新規のアルツハイマー病治療薬の薬価収載に向けた論点等)の3つの論点に沿ってコメントいたします。

まず1つ目の薬価算定方式についてです。本剤(ケサンラ)とレケンビの違いを踏まえた臨床上、治療上の使い分けはあるとは思いますが、医薬品としては類似性がかなり高いと思われます。したがって、薬価算定方式を変えるほどの理由は見当たらないと考えます。

2つ目の論点の収載後の価格調整の把握の仕方や、3つ目の論点である費用対効果評価が「H1」あるいは「H5」と指定された場合の対応案についても提案の通りで異論ありません。私からは以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございました。森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。資料「薬費―1」の22ページに示されている論点に沿って発言いたします。

1つ目のケサンラの薬価算定方法についてですが、脳内アミロイドβ量を減少させる作用があるアルツハイマー病治療薬となるため、同様の作用があるレケンビと同様に現行の薬価基準に基づき算定することで良いと考えます。

2つ目のケサンラの収載後の価格調整についてですが、対象となり得る患者数が多く、使用可能な医療機関の体制や使用実態等の変化により、当初の予想より大きく市場拡大することも考えられることから、四半期での速やかな再算定の適否を判断するために、2年度目の販売予想額などに関わらず、NDBによる使用量の把握は必要な対応と考えます。

また、資料「薬費―1」18ページ目に市場拡大の把握方法に関する要件の課題が示されていますが、課題として挙げられている「②」の要件(収載時に、2年度目の販売予想額が100億円(原価計算方式)または150億円(類似薬効比較方式)以上とされたもの)については、既存の医薬品の取り扱いも含めて検討していく必要があると考えます。

3つ目の費用対効果評価については、事務局提案の通りに対応することに異論はありません。

最後にケサンラの有害事象ですけども、事務局から発言がありましたけども、直接比較されていないので評価が難しいもののARIAの発現がレケンビに比べ多いように感じられ、特に「ARIA-E」関連は約倍の24%となっています。最適使用推進ガイドライン、または添付文書の中で注意喚起等をしていただくとともに、市販後の安全対策として、全例調査等が実施されるようですが、把握した安全性情報については適切に医療現場にフィードバックしていただく必要があると考えます。私からは以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございます。今の森委員のご発言で比較対象のこともありましたが事務局何かそれについて補足説明等ございますか。

事務局:薬剤管理官でございます。森委員、長島委員ご指摘ありがとうございます。森委員のご指摘がございました。まず1つ目です。資料28ページのところでございますが、今の要件の「②」の方で対象を広げてはいかがかということにつきましては、次回の制度改正のときに議論をしたいと思います。

ただ、現状といたしましては、実はNDBのデータを取ることは結構、費用と時間がかかることになりまして、闇雲になかなか対象を広げられないという現状がございます。そのことも勘案しながら、今回は高額薬剤に限定をしてということでの提案となっております。

それからARIAに関する発現が類似薬先行品と比べて少し多いのではないかとのご指摘でございます。安全対策につきましては、速やかに市販後安全対策を企業に徹底するようにお伝えするとともに、全例調査の結果につきまして医療関係者にお伝えするようにしたいと思っております。

ちなみに「薬費-1」の最後になります32ページの方でございますが、先行するレケンビは市販直後調査等もしておりまして、最終報告というのも出ております。本剤(ケサンラ)も多分この対象になりますので、市販後の情報を取りまとめられましたら、公表あるいは医療関係者に伝達するということになろうかと思います。以上でございます。

安川部会長:はい、よろしくお願いします。他にご意見、ご質問等ありますでしょうか?では松本委員お願いします。

松本委員:ありがとうございます。ケサンラの薬価収載に向けた対応につきましては資料「薬費―1」22ページの論点示されております考え方に異論はございません。

薬価算定方式に応じた費用対効果評価の進め方につきましては資料「薬費―1」20ページに対応をケース別にわかりやすく整理いただいておりますので、この通りに進めていただくことで結構でございます。

特に薬価調整範囲につきましては、費用対効果評価を積極的に活用する観点から、閾値の価格を指標とする方法を適用すべきというふうに考えております。またケサンラ、レケンビいずれも使用状況をしっかりモニタリングするということは事務局にお願いをしたいと思います。私から以上でございます。

安川部会長:ありがとうございます。鳥潟委員のお手が挙がっております。鳥潟委員お願いいたします。

鳥潟委員:ありがとうございます。資料「薬費―1」22ページの論点で示されている内容につきましてはいずれも異論ございません。ケサンラについてですが、繰り返しになりますけども、医師・施設要件があるため、投与対象者、対象患者数は限定的になる見込みとありますけれどもレケンビ同様に有病者数自体が多く、また国民の期待も高いことから、使用実態が変化し、予測以上に患者数が伸びていくことも考えられると思います。

その際には価格の再調整も必要になるのではないかと考えます。そのため、薬価収載後も算定方法などに関わらず、NDBにより使用量を把握していくことに賛成でございます。以上です。

安川部会長:ありがとうございました。他にご質問、ご意見等ありますでしょうか?高町委員お願いいたします。

高町委員:ありがとうございます。私も副作用について発言させていただきたいと思います。ただいまご説明がありましたように十分な安全対策が講じられているということですが、重篤化や死亡例もあるようですし、レケンビに比べて発現の可能性も高いということですので、患者の安全を確保するために、また患者が安心して治療を受けられるためにもこれらの対策をぜひ徹底していただきたいと考えています。よろしくお願いします。ありがとうございました。私からは以上です。

安川部会長:はい、ありがとうございました。他にご質問、ご意見等ありますでしょうか?他にご意見等ないようでしたら、本件に関する質疑はこのあたりといたします。今後ご提案ご指摘のあった点については事務局の方で進めていただければと存じます。本日の議題は以上です。それでは、本日の合同部会は、これにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

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