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ヤンセンファーマ・關口社長 「グローバルの開発力生かし新たな領域参入へ」3領域で売上高4割以上に

公開日時 2024/10/07 04:52
米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)グループで日本の医療用医薬品事業を担うヤンセンファーマの關口修平代表取締役社長は10月4日、東京都内で開いた記者会見で今後の事業戦略に触れ、「グローバルの開発力の強みを生かして新たな疾患領域に積極的に参入し、海外ですでに上市されている製品を日本でもより早く届けられるように邁進していく」と述べた。さらに中長期の戦略として、29年までに適応拡大を含めた約50件の承認取得を掲げ、特に▽炎症性腸疾患▽多発性骨髄腫▽肺がん―の3領域に注力すると説明。「29年までに、この3領域の売上が少なくとも4割以上を占める見込み」と強調した。

◎J&Jの強みは「開発力と実行力」 「27年には2ケタ成長目指す」

關口社長は「アンメットメディカルニーズが多様化し、私たちが応えていくべき疾患領域が変化している」とした上で「イノベーションの社会実装をさらに進めるために舵を切る。革新的な医薬品を『より多く』『より早く』『より確実に』届けていく」と訴えた。目標達成に向けたJ&Jの強みについて、「世界最大規模の開発力と日本における実行力」を強調。「自社開発のみにとらわれない柔軟なタイムライン戦略を実行していく。日本単独の市場規模では開発自体が難しい疾患でも、グローバルスケールを生かして日本に薬剤を持ってくることが可能になる」と自信をのぞかせた。同社によると、日本での23年の売上高は薬価ベースで4170億円(対前年比約4%増)。25年単年では適応拡大を含め10件以上の承認取得を予定し、「27年には2ケタ成長を目指す」(關口社長)とした。

◎NSCLC初の二重特異性抗体が承認 「グローバルと遜色ないポートフォリオもたらす」

注力する疾患領域のうち、肺がんでは、非小細胞肺がん(NSCLC)に対する初の抗EGFR/MET二重特異性抗体・ライブリバント点滴静注(一般名:アミバンタマブ)が9月に承認を取得。効能・効果は「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」。さらに適応拡大に向けた承認申請を行っていることも明らかにした。關口社長は「日本においても、グローバルと遜色のないポートフォリオをもたらすことで、肺がん患者への貢献を高めていく」と力を込めた。

また、日本の創薬エコシステム構築に向けて、關口社長は「日本政府の戦略的ヘルスケアパートナーとして、イノベーションが持続的に生まれる環境整備に尽力する」と強調。世界規模の開発力と、日本発のシーズや優れた研究者をつなぐ橋渡しとして、スタートアップやアカデミアの支援にも取り組む姿勢を示した。

◎グローバルR&Dトップ 社内外にこだわらない研究開発戦略 「最も素晴らしいサイエンス取り入れる」

会見では、ジョンソン・エンド・ジョンソンInnovative Medicineのジョン・C・リードR&Dエグゼクティブ・バイスプレジデントも登壇した。世界をリードする製薬企業として「我々が追求するのは革新的な医薬品の提供。リーダーとして、他者のコピーをするのではなく、リスクをとってでも投資をし、医療の未来を切り拓く役割がある」との矜持を示した。

その上で、世界各地に拠点をもち、研究者1万3000人を擁するJ&Jの研究開発の優位性を紹介。自社創製品だけにこだわらず、外部とのパートナーシップや投資などにも積極的に取り組んでおり、「イノベーションは中でも外からでもいい。世界で最も素晴らしいサイエンスを取り入れる」と語った。現在の自社創製品と外部からの導入品の比率は6:4とし、「戦略としては半々でもいい」と説明。創薬候補の評価基準として、▽アンメットメディカルニーズを満たすか▽ファースト・イン・クラスやベスト・イン・クラスかどうか▽安全性―などを挙げた。

こうした研究開発戦略を支える柱として、ボストンやサンフランシスコ、ロンドン、上海に構えるイノベーションセンターや、起業家を育てるインキュベーション施設「JLABS」を挙げ、「多くの企業では臨床段階にあるアセットに目を向けるが、我々はそれだけでなく、早い段階から技術を育て、コンセプト化し、臨床段階に引き上げていくことができる」と強調。「これがエコシステムにおける私たちの役割であり、日本でもその役割を果たしていきたい」と訴えた。

◎7月から日本でもJ&Jブランドで展開 国内医療用医薬品事業は「Johnson & Johnson Innovative Medicine」に

ヤンセンファーマは24年7月から、日本での医療用医薬品事業を「Johnson & Johnson Innovative Medicine」として展開を始めた。米J&Jグループのブランドアイデンティティ変更に連動するもので、ヤンセンファーマの法人名は引き継ぎつつ、J&Jブランドとして製品パッケージや関連資材などを切り替えていくという。
 
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