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ゾコーバの費用対効果は対処療法より「費用増加」 支払側・松本委員「コロナの適切な治療考えるべき」

公開日時 2024/10/10 04:48
中医協総会は10月9日、新型コロナ治療薬のゾコーバ錠の費用対効果評価案を了承した。最も安価な標準治療を比較対照技術に据えて費用対効果評価を検討したところ、ニルマトレルビル/リトナビル(製品名:パキロビッド)の追加的有用性の有無によらず、ICERの区分は「費用増加」となった。価格調整係数「0.1」が適用され、薬価が引下げられることになる。支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、「コロナ治療薬全般について、標準治療の対処療法に比べて費用対効果という観点で見ると、なかなか追加的な有用性が認められていない印象を受けている」と指摘。「今後は限りある医療保険財政の中で、治療の選択肢を確保していくためには、新型コロナ感染症に対する適切な治療薬の選択をよくよく考えていく必要がある」と指摘した。

◎支払側・松本委員「さらなる費用対効果評価の活用方法についても今後検討していくべき」

支払側の松本委員は、「ニルマトレルビル/リトナビル(製品名:パキロビッド)の評価結果を待たず、ケースを分けて速やかに結論を出していただくことは大変意義のあるものだと受け止めている」と述べた。そのうえで、評価結果を踏まえて新型コロナ治療薬の費用対効果について意見を述べた。松本委員は、「新型コロナ感染が拡大した当初は重症化する患者も多く、治療法が確立されていなかった状況もあり、新たな治療薬が求められていたことは一定程度理解する」と述べたうえで、「ただこれまでの費用対効果評価の結果と、ウイルスの変異によって重症化する患者が減っているという現状を踏まえると、今後は限りある医療保険財政の中で、治療の選択肢を確保していくためには、新型コロナ感染症に対する適切な治療薬の選択をよくよく考えていく必要がある」と指摘。「価格を適正な水準まで調整していく仕組みとしてさらなる費用対効果評価の活用方法についても今後検討していくべき」と述べた。

◎診療側・森委員「現場の混乱生じないよう、開発企業の意欲削がないよう留意を」

診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、「ゾコーバ錠についてだが、費用増加という結果にはなったが、これはあくまで費用対効果に対する評価結果であり医薬品の有効性・安全性に対するものではない。この評価結果によって現場等に混乱が生じないよう、そして今後の感染症の治療薬等に関する企業の開発意欲が削がれることがないよう留意が必要」と述べた。

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