米FDA 複雑性尿路感染症治療薬Vabomereを承認
公開日時 2017/09/08 03:50
米食品医薬品局(FDA)は、8月29 日、複雑性尿路感染症治療薬Vabomere(メロペネム/バボルバクタム配合剤)を承認した。同剤は、カルバペネム系抗生物質メロペネムとβラクタマーゼ阻害剤バボルバクタムの定用量配合剤で、適応症は腎盂腎炎を含む複雑性尿路感染症(cUTI)。
同剤については、医療現場で問題化している薬剤耐性菌発生の抑制や抗菌剤の有効性を維持するために、感受性菌によって同疾患が引き起こされていることが確認されたか、もしくは強く疑われる場合にのみの使用となっている。
同剤の主な副作用は、頭痛、注射部位反応および下痢など。また、アレルギー反応の発現リスクがあるため、βラクタム系抗生物質に対してアナフィラキシーショックの病歴のある患者への投与は禁忌である。
なお、同剤については、特定感染症製品(Qualified Infectious Disease Product: QIDP)および優先審査対象に指定された。QIDPは、FDA安全・イノベーション法(FDA Safety and Innovation Act)に組み込まれている米国抗菌薬開発インセンティブ法(Generating Antibiotic Incentives Now Act)において、当該感染症薬については、5年間の特許延長、優先審査および迅速審査対象に指定されるなどの優遇措置が受けられる。QIDPの制度は、製薬企業による、希少疾病薬の開発促進を図る目的で制定された。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌製品部長は、「FDAは安全かつ有効な抗菌剤が使用できるように取り組んでいる」と述べたうえで、「本日の承認は、重篤な細菌感染であるcUTI患者に新たな治療オプションを提供するもの」と同剤登場を歓迎した。
同剤の製造は、Rempex Pharmaceuticals社(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)が行う。