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薬食審・第二部会 新薬4製品を審議、承認了承 ファイザーの乳がん治療薬イブランスなど

公開日時 2017/07/28 03:52

薬食審・医薬品第二部会は7月27日、新薬4製品の承認の可否を審議し、全て承認することを了承した。この中には、乳がんに用いる世界初の経口サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬イブランスカプセル(一般名:パルボシクリブ、申請企業:ファイザー)が含まれる。

【審議品目とその内容】(カッコ内は一般名と申請企業名)

ケブザラ皮下注150mgシリンジ、同皮下注200mgシリンジ、同皮下注150mgオートインジェクター、同皮下注200mgオートインジェクター(サリルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

完全ヒト型抗IL-6 受容体モノクローナル抗体。IL-6 シグナル伝達経路を介して関節リウマチの炎症を阻害する。IL-6 は、関節リウマチ患者の血清中および滑液中に最も多く見られるサイトカインで、IL-6 のレベルは疾患活動性および関節破壊と相関する。IL-6を標的とする製剤としては、アクテムラ皮下注に続く2剤目となる。

1回200mgを2週間隔で皮下投与して用いるが、患者の状態により1回150mgを投与することができる。海外では17年1月にカナダで、同年5月に米国で承認済。

ルパフィン錠10mg(ルパタジンフマル酸塩、帝國製薬):「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

ヒスタミンH1受容体拮抗薬。12歳以上の小児及び成人に対して1回10mgを1日1回経口投与で用いる。効果不十分な場合は1回20mgを1日1回経口投与できる。類薬にアレロックなどがあり、ルパフィンは治療選択肢のひとつとなる。海外では16年6月現在、80か国以上で承認済。

アクテムラ皮下注162mgシリンジ、同皮下注162mgオートインジェクター(トシリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「既存治療で効果不十分な高安動脈炎、巨細胞性動脈炎」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間10年。希少疾病用医薬品。

高安動脈炎、巨細胞性動脈炎とも国の指定難病。高安動脈炎と巨細胞性動脈炎の2つの亜型からなる大型血管炎は、血管の炎症により動脈狭窄、動脈瘤などが発現する。病変部位によっては脳梗塞、弁閉鎖不全症、腎機能低下などの重篤な臓器障害をきたすことが知られている。国内患者数は推定7000人。

大型血管炎の第一選択薬はステロイド剤となるが、長期投与により重篤な副作用や、ステロイド剤の漸減過程で再発がみられ、新たな治療選択肢が望まれていた。このような中でアクテムラは、経口ステロイドで効果不十分な高安動脈炎患者及び巨細胞性動脈炎患者に対して新たな治療選択肢を提供するものとなる。

海外では17年5月に米国で巨細胞性動脈炎の効能・効果で承認された。

イブランスカプセル25mg、同カプセル125mg(パルボシクリブ、ファイザー):「手術不能または再発乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6に対する阻害作用を有する低分子化合物。ファースト・イン・クラスの新薬。CDK4/6は細胞周期の調節に主要な役割を果たしており、細胞増殖を引き起こすが、同剤はCDK4/6を選択的に阻害して細胞周期の進行を停止させ、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

用法・用量は、「内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはパルボシクリブとして1日1回125mgを3週間連続して食後に経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する」というもので、ホルモン療法剤と併用して用いる。閉経の有無にかかわらず使用できる。このため、この日の部会では、ホルモン療法剤のフェソロデックス筋注250mg(一般名:フルベストラント)について、イブランスと併用できるようにするための承認事項の一部変更が報告されている。

臨床上の位置付けは、ホルモン受容体(HR)陽性かつヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性の手術不能または再発乳がんに対する治療選択肢のひとつとなる。海外では17年4月時点で、33の国または地域で承認済。

2製品目となるレミケードのバイオシミラー 9月中にも承認へ

【報告品目とその内容】(カッコ内は一般名と申請企業名)

報告品目は、PMDAの審査段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断されたもの。
 
インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」(インフリキシマブ(遺伝子組換え)[インフリキシマブ後続2]、日医工)、同BS点滴静注用100mg「あゆみ」(同、ヤクハン製薬):「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止含む)、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、感染性紅皮症、中等度から重度の活動期にあるクローン病、外瘻を有するクローン病患者、中等症から重症の潰瘍性大腸炎(既存治療で効果不十分ま場合に限る)」を効能・効果とするバイオ後続品。再審査期間なし。
 
田辺三菱製薬のレミケードのバイオシミラー(バイオ後続品)で、日本化薬に続くもの。承認は9月下旬になるとみられる。日医工の子会社であるヤクハン製薬の製品については、日医工が7月13日、承認後に、あゆみ製薬に販売権を許諾する契約を締結したと発表している。

なお、先行品のレミケードの再審査期間の関係で以下の効能・効果、用法・用量は承認されない。具体的には「既存治療で効果不十分な、ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、強直性脊椎炎、腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病、川崎病の急性期」「乾癬における効果不十分な場合の投与量増量や投与間隔短縮」「クローン病における効果減弱の場合の投与間隔短縮」。

アブラキサン点滴静注用100mg(パクリタキセル、大鵬薬品):胃がんに対して、現在の3週間に1回投与に対し、1週間に1回投与も可能にする新用量医薬品。再審査期間なし。
 
フェソロデックス筋注250mg(フルベストラント、アストラゼネカ):現在の効能・効果である「閉経後乳がん」から「閉経後」を削除する新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2019年9月25日まで)。

同日に審議し、承認が了承された乳がん治療薬イブランスと併用することがあるため「閉経後」の制限を解除した。用法・用量には、「閉経前乳がん」において「LH-RHアゴニスト投与下でCDK4/6阻害剤と併用すること」と明記する。
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