オプジーボなど医療用薬4製品 新効能の追加承認
公開日時 2016/12/05 03:51
医療用医薬品4製品が12月2日、新たな効能を追加する承認を取得した。承認された医薬品は次のとおり(カッコ内は一般名と申請企業名)。
▽オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg(ニボルマブ遺伝子組換え)、小野薬品):「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」を追加。
ホジキンリンパ腫の国内年間患者数は推定約2000人で、この8~9割が古典的ホジキンリンパ腫とされる。類薬にはアドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え))などがあり、オプジーボはブレンツキシマブに抵抗性または不耐容の再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫患者に対する治療選択肢のひとつとなる。
今回の承認でオプジーボの適応は、「根治切除不能な悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」に続く4つめとなる。
▽イムブルビカカプセル140mg(イブルチニブ、ヤンセンファーマ):「再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫」を追加。
疾患の進行に関与するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を標的に腫瘍細胞の生存シグナルを阻害し、増殖を抑制するとされている。通常、成人には560mgを1日1回経口投与で用いる。
マントル細胞リンパ腫は悪性リンパ腫の一種。稀な血液がんで、全悪性リンパ腫の約3%、推定患者数は約1600人。発症年齢の中央値は60歳代半ば~70歳で男性に多いという。生存期間の中央値は3~4年とされ、既存の薬物治療後に病勢進行が認められた患者に対する治療法は限られている。類薬にトレアキシン(一般名:ベンダムスチン)などがあり、イムブルビカは治療選択肢のひとつとなる。
▽レルベア100エリプタ14吸入用、同100エリプタ30吸入用(ビランテロールトリフェニル酢酸塩/フルチカゾンフランカルボン酸エステル、グラクソ・スミスクライン):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)の諸症状の緩解(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」を追加。
吸入ステロイド(ICS)のフルチカゾンと、長時間作用性β2刺激薬(LABA)のビランテロールを含有する吸入配合薬。ドライパウダー吸入器である「エリプタ」を用い1日1回吸入する。
同剤は2013年に「気管支喘息(吸入ステロイド剤及び長時間作動型吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)」の治療薬として承認されている。
▽ディナゲスト錠1mg、同OD 錠1mg(一般名:ジエノゲスト):「子宮腺筋症に伴う疼痛の改善」を追加。
同剤は、プロゲステロン受容体を選択的に活性化し、卵巣機能抑制作用、子宮内膜細胞増殖抑制作用を持つ。子宮内膜が子宮体部筋層内に増殖するのが子宮腺筋症。月経時、日常生活に支障があるほどの強い痛みが起きることが多い。発症年齢のピークは40歳代で、閉経周辺期女性の15~20%が有するとされるが、子宮内膜症と併発するケースも少なくないという。根治療法は外科的方法(手術療法)だが、妊娠を希望する場合は臨床症状の改善を目的とした内科的方法(ホルモン療法)が選択される。