中外製薬のDMD対象の遺伝子治療用製品・エレビジスなど2製品審議へ 4月18日の再生医療等製品部会で
公開日時 2025/04/14 04:49
厚生労働省は4月18日に、薬事審議会の再生医療等製品・生物由来技術部会を開き、中外製薬のデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を対象とする遺伝子治療用製品・エレビジス点滴静注(一般名:delandistrogene moxeparvovec、開発コード:SRP-9001)など2製品の承認の可否を審議する。もう1製品はジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)の自家培養軟骨・ジャックに変形性膝関節症の適応を追加する一変承認の可否の審議となる。
エレビジスは標的とする骨格筋、呼吸筋及び心筋において、本製品により短縮型ジストロフィンの発現を介し、DMDの原因に働きかけるようデザインされている。厚労省から希少疾病用再生医療等製品に指定されている。
承認申請は、歩行可能なDMDの4~7歳の男児を対象にした本製品の有効性および安全性を評価したグローバル第3相臨床試験(EMBARK)の成績などに基づく。
中外製薬は本製品の投与対象について、DMDのうち、エクソン8及び/又はエクソン9を含む欠失変異を有さず、抗AAVrh74抗体が陰性である3~7歳の歩行可能な男児を目指している。投与前には抗AAVrh74抗体の陰性の確認が必要で、これはロシュ・ダイアグノスティックスが24年6月に承認申請したdelandistrogene moxeparvovecのDMDの適応判定を補助するコンパニオン診断薬(海外製品名:Elecsys Anti-AAVrh74)を用いる予定。
◎自家培養軟骨・ジャック 変形性膝関節症の臨床試験で軟骨欠損部の組織修復を確認
ジャックは12年に、膝関節における外傷性軟骨欠損症又は離断性骨軟骨炎の適応で承認された再生医療等製品。整形外科領域における日本初の再生医療等製品で13年から保険適用されている。患者本人の軟骨組織を採取し、ゲル状のアテロコラーゲンと混合して立体的に培養、患者の膝軟骨欠損部に移植して用いる。
今回審議する変形性膝関節症を対象とした臨床試験では、ヒアルロン酸ナトリウム製剤投与群に対して統計的に有意な臨床症状の改善が示されたことに加え、自家培養軟骨の移植によって変形性膝関節症による軟骨欠損部において硝子軟骨様組織により修復が確認された。