「エイカレ」の審査員特別賞を日本リリーが受賞 「体調スコアカード」で女性MRの業務改善
公開日時 2025/02/26 04:51
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営業職に求められる役割や機能への固定観念を見直すイベント「EIJYO COLLEGE SUMMIT 2024」が2月21日に開催され、日本イーライリリーが審査員特別賞を受賞した。女性MRらから構成される日本イーライリリーのチームは、痛みや倦怠感などを6段階でチェックすることで、日々の体調と直近1か月の体調を可視化できる「体調スコアカード」を活用した取組みを発表。部下が上司に体調を報告しやすくすることで、営業活動の業務改善につなげた点が評価された。
◎日々の体調を可視化 上司と部下のコミュニケーションに変化
日本イーライリリーは、MRの健康管理と仕事の両立を支援する「体調スコアカード」を発表。社内アンケートによると、女性MRの86%が「休むほどではない体調不良」を抱えながら働いていると回答。74%が健康不安を理由に将来も仕事継続を躊躇し、年間で約1億5000万円の労働生産性が失われていると推計された。一方、体調不良を上司に相談していない女性MRは80%、管理職の59%も「部下の体調を聞きづらい」と感じていることが分かった。こうした課題に対し、体調スコアカードの導入後、女性MRの63%が体調について話す心理的ハードルが下がったと回答し、管理職の78%が体調について聞くハードル下がったとした。
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MRが健康で効率的に働くことが医師のニーズにこたえることにつながるとし、健康経営の推進を強調。発表したMRの池上美香さんは「極力、制度にならないように気を付けた。制度づくりにこだわると、箱物だけを作ってしまう。みんなの根本的な認識変換をするために、私たちはまずコミュニケーションから始めていかなくてはいけないと思った」と述べた。同社の人事本部ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン推進コーディネーターである安原菜津子氏は、「日々の業務の中でも“スピークアップしましょう”と呼びかけている。自分たちの思ったことをトライできるというこの経験を通じて、女性営業のステップアップにつながり、馬力が増すことを期待している」と述べた。同社は今後、この「体調スコアカード」の実装に向けて、検討を進めていく方針という。
「EIJYO COLLEGE SUMMIT」はチェンジウェーブグループが主催し、2014年から毎年開催。これまでにのべ165社から1016人を超える女性営業職が参加している。日本イーライリリーは17年から参加し、3度目の審査員特別賞受賞となった。