【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

東薬工・奥田会長 「イノベーション政策と薬価政策は一貫した戦略として推進を」 薬業4団体賀詞交歓会

公開日時 2025/01/09 04:50
東京医薬品工業協会(東薬工)の奥田修会長(中外製薬代表取締役社長CEO)は1月8日、都内で開かれた薬業4団体の新年賀詞交歓会で挨拶し、「製薬産業が成長を牽引する基幹産業となるためにも、イノベーション創出政策と薬価政策が一貫した戦略として推進されることを強く期待している」と述べた。奥田会長は24年に医薬品産業をめぐる「2つの大きなニュース」があったと指摘。医薬品産業が基幹産業として位置づけられた一方で、業界が「実施する状況にはない」としていた中間年改定が実施されることに触れ、自身の見解を示した。

岸田首相(当時)は24年7月の創薬エコシステムサミットで、医薬品産業を基幹産業に位置付けることを宣言した。石破首相もこの方針を踏襲。24年末に決定された補正予算では、安定供給確保、ドラッグ・ラグ/ロス解消、創薬力強化に向けた取組みなどが盛り込まれた。奥田会長は、「我々にとって大変心強い。これらの重要な進展は、関係府省庁の皆様のご尽力によって実現した」と感謝した。一方で、年末には業界の反対する25年度薬価改定の実施が決定。2018年以降8年連続の薬価改定となったことを「製薬企業にとっては大きな負担」と指摘し、政府として“一貫した戦略”の立案を求めた。

◎福岡厚労相 後発医薬品供給支援基金で計画的な生産性向上に取り組む企業を支援

賀詞交歓会では福岡資麿厚生労働大臣も登壇し、「医薬品業界に対しては、新たな治療薬をまず患者さんへ迅速に対応していただくとともに、今、目の前に必要な医薬品を安定的に供給いただくことが求められている」と訴えた。

25年度薬価改定についてもこうした考え方の下で決めたとして、「国民負担の軽減を図りつつ、創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の確保の観点から、メリハリをつけた対応とすることとした」と説明した。

一方で、年末の予算編成過程における大臣折衝では、「後発医薬品供給支援基金」を創設することに合意した。福岡厚労相は、「後発医薬品産業の少量多品目生産といった構造的課題があると認識をしている。非効率的な生産体制の解消に向けて、計画的に生産性向上に取り組む後発医薬品企業を支援するため、後発医薬品供給支援基金を造成することとした」と狙いを強調。「法的な対応や薬事・薬価面での対応も含め、後発医薬品業界の再編の促進に向けた方策を引き続き検討する」と述べた。

セルフメディケーションの推進についても「限られた医療資源を有効に活用しながら国民の健康づくりを促進するために重要」と言及。26年末に期限を迎えるセルフメディケーション税制について、「これを契機として、税制のあり方の検討含め、さらなる推進に取り組んでいきたい」と意気込んだ。

賀詞交歓会は東薬工のほか、東京薬事協会、東京医薬品卸業協会、東京都家庭薬工業協同組合が主催。業界や行政の関係者約650人が参加した。この日は、薬事功労者の祝賀行事もあり、薬事功労者厚生労働大臣表彰を受けた日本漢方生薬製剤協会の加藤照和会長(ツムラ代表取締役社長CEO)ら2人が表彰された。
 
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(6)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー