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中外製薬・奥田社長 「TOP I 2030」改革内容を精緻化 オープンイノベーション強化でアウトプット拡大

公開日時 2024/07/26 04:51
中外製薬の奥田修代表取締役社長CEOは7月25日の2024年第2四半期決算説明会で、成長戦略「TOP I 2030」の最初の3年間を振り返り、目標達成に向けて「改革内容の精緻化」を行ったと発表した。この間に生成AIやデジタル技術が進歩し、当初想定した取り組みの水準では目標とのギャップが生じたためと奥田社長CEOは指摘する。その上で、「戦略の根幹は不変で、TOP I 2030の骨子に変更はない」と述べながらも、中分子および抗体新技術の磨き上げやオープンイノベーション強化による独自技術の確立・アウトプットの創出などを明確化した。

「TOP I 2030」では、「R&Dアウトプットの倍増」と、「自社グローバル品毎年上市」を2030年の目標に掲げている。奥田社長CEOは、「(TOP I 2030の)最初の3年を振り返ると、RED(Research・研究)とEarly Development(早期開発の総称)シフトという研究開発への集中投資を始めてから変化の兆しが見え始めている」と強調。その要因として、「生成AIを含むデジタルテクノロジーの進歩がこの間にあり、それに伴ってオープンイノベーションの重要性はさらに増加している」と述べ、目標達成のために変更すべき戦術の洗い出しを行ったとした。

「創薬」に関しては、完成度の高い開発候補品を連続的に創出するとして、中分子および抗体新技術の磨き上げや非臨床研究・基盤技術の更なる深化、さらにオープンイノベーションの推進などをあげた。「開発」については、早期臨床開発段階のプロジェクトの進展は「加速が必須で、戦略的な優先順位付けが必要だ」と強調。改革の方向性として「確度の高いGo/No-Go基準を設定し、適切・迅速な判断を行う」とし、「価値のあるプロジェクトにリソースを集中し、サイクルを早く回すことで、質を保ちながらアウトプット増加を狙っていく」と述べた。

奥田社長は、「精緻化した改革を全社一丸となって成し遂げた先には、目標の達成が見えてくると確信している。 新たなスタートを切り、トップイノベーター像の実現に向けて引き続き邁進していく」と力を込めた。

◎24年第2四半期業績は減収増益 ヘムライブラなどの海外売上が好調 通期予想は「変更ない」

24年第2四半期業績は、売上収益が5529億円(前年同期比4.6%減)、営業利益2628億円(同13.3%増)の減収増益だった。前年同期には新型コロナ治療薬・ロナプリーブの政府納入(812億円)が計上されたことで相対的に国内売上高は大幅に減少したものの、血友病治療薬・ヘムライブラなどのロシュ向け輸出など好調な海外売上により、高い収益性を達成した。奥田社長は「上半期の進捗は極めて順調で、通期では営業利益、当期利益ともに過去最高を目指す計画に変更はない」とした。

関節リウマチ等治療薬・アクテムラは海外でのバイオシミラー(BS)参入による影響が懸念されたが、「動向は読みにくいが、今までのところ我々の想定よりも(BSの影響は)若干弱め」(奥田社長)と述べ、好調に推移する見通しを示した。
 
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