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MSD 経口HIF-2α阻害薬・ベルズチファン 根治切除不能又は転移性腎細胞がんを対象に承認申請

公開日時 2024/07/23 04:50
MSDは7月22日、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害薬・ベルズチファンについて、根治切除不能又は転移性の腎細胞がん(RCC)の治療薬として承認申請したと発表した。腎細胞がんは、手術でがんを切除することが難しい場合、薬物療法を行うこともあり、淡明細胞型の腎細胞がんでは主に免疫チェックポイント阻害剤(PD-1またはPD-L1阻害薬、CTLA-4阻害薬)や分子標的薬(VEGFR-TKI)を用いる。しかし、それらによる治療後に進行した患者に対し、臨床試験で有効性、安全性が検証された治療方法がなく、新たな選択肢が求められている。

今回の申請は、PD-1またはPD-L1阻害薬とVEGFR-TKIを逐次または同時に用いた治療後に進行した切除不能な局所進行または転移性の淡明細胞型RCC患者746人を対象とした、無作為化非盲検実薬対照第3相試験(LITESPARK-005)のデータに基づく。

同試験では、ベルズチファンは主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)について、対照薬であるエベロリムスに対して統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長を示した。安全性プロファイルは、前相の試験で報告されたものと一貫していたという。

ベルズチファンは、経口投与可能なファーストインクラスの低分子HIF-2α阻害薬。がん細胞においてVHLタンパク質の機能が喪失している状態で、ベルズチファンはHIF-2αとHIF-1βのヘテロ二量体形成を選択的に阻害する。その結果、血管新生、増殖および腫瘍代謝に関連する低酸素下で誘導される遺伝子の転写を阻害することで抗腫瘍効果を示す。

腎細胞がんは、腎臓がんのうち最も多くみられる種類のがんで、腎臓がんの約9割を占める。2019年には約2万1000人が新たに腎臓がん(腎盂がん除く)と診断され、男性は女性の約2倍の頻度で発症するとされている。
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