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製薬協・石田常務理事 販売情報提供活動監視事業報告 違反件数が前年横ばいも指摘事項で改善求める

公開日時 2024/07/19 04:52
日本製薬工業協会(製薬協)の石田佳之常務理事は7月18日、本誌取材に応じ、「2023年度医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業」の報告書への対応について所見を述べた。石田常務理事は、「(医療者から)求められていないにも関わらず(自社製品の)情報を提供しているケースや、エビデンスに基づかない情報提供が指摘されている」と強調。製薬協の中でも検討し、監視事業報告の指摘事項について加盟社のMR研修などに活かしたい考えを表明した。

◎監視事業報告 前年から横ばいに「胸をなでおろしている感じ」

厚労省医薬局監視指導・麻薬対策課が公表した「2023年度医療用医薬品の販売情報提供活動監視事業」では延べ18件の医薬品に関する情報提供で広告違反が疑われ、違反が疑われた項目は延べ26項目あった。違反が疑われた項目は、「エビデンスのない説明を行った」(違反疑い延べ26項目中46.2%)が最も多く、次いで「有効性のみを強調した」、「他社の製品を誹謗・中傷する表現を用いた」(同11.5%)となった。違反件数は前年からほぼ横ばいで、「特に大きな動きはなかった。胸をなでおろしている感じだ」と話した。

◎監視報告のリアルタイム運用 「反対するわけではない。それに合わせて対応していく」

次期薬機法改正に向けた議論が進む中で、7月5日に開かれた厚労省の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会では、販売情報提供活動監視事業の強化が論点の一つにあがっている。佐藤大作大臣官房審議官(医薬担当)は、「企業において不適切な販売情報提供活動事例で、非常に偏った情報で医療関係者に対して販売情報提供による誘引を行っているというような状況が見られる。特に競争が激しい領域においてはガイドライン策定後、監視事業等も行っているが、現状でもそういう事例があるような状況だ」と説明し、不適切な販売情報提供活動に対する監視指導を強化する必要性を指摘。リアルタイムでの不適切事案の調査・指導を行うなど監視事業の運用をよりきめの細かいものとすることが提案されている。

石田常務理事は、「我々としては違反事例がなくなってほしいが、調査して現場の医療関係者の皆さんから報告は受けることもあると思う」と述べた。そのうえで、「競争が激しいとなると、どうしても突っ走ってしまうMRもいると思う。これは昔からのことで、それを何とかMRとかマネージャーとか各社のコンプライアンス部門が少なくとも数が多すぎないように抑えるっていうことを努力しているのが現状だと受け止めている。指摘はその通りだが、ある程度の水準で抑えているというところも事実ではないかなというふうに思っている」と話した。リアルタイムでの運用などについては、「製薬協として反対するわけではない。やり方が変わるのであればそれに合わせて対応していく」と話した。

◎製薬協理事会 武見プログラム 資金の流れ透明化を了承

この日の理事会で武見プログラムに関する資金の流れの変更について協議され、了承された。武見プログラムは、武見太郎元日本医師会長の功績を称え、1983年にハーバード大学が日本医師会の協力の下、同大学公衆衛生大学院に設立した中堅の医療従事者のための研究・高度研修プログラム。製薬協では約30年前から支援を行っている。寄付金額は理事会社で均等に負担しており、これまでは各社が個別に寄付を行っていたが、コンプライアンスや資金の流れの透明性の観点から、製薬協が一括して日本医師会に支払いを行い、理事会社が製薬協に支払う形に改める。日本医師会とは寄付契約を締結し、寄付金がハーバード大に流れるよう、透明化した。なお、寄付金は武見プログラム運営資金として年間15万ドル、武見プログラム設立30周年記念事業低所得国フェロー奨学金制度として年間8万ドル。


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