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人財のプラットフォーム構築に向け 武田新社長が描く「次の10年」

公開日時 2024/08/01 00:00
提供:シミック・イニジオ株式会社

シミックグループとInizio Engageによる2014年の合弁会社化から10年目を迎えたシミック・イニジオ株式会社。親会社のそれぞれが有する国内のネットワークと、グローバルでのCSO事業の豊富な経験を活かしながら、両社に通底するベンチャー精神で新たなビジネスモデルの開発に取り組み、業界の変革をリードしてきた。その節目の年となる2024年7月、社長執行役員に就任したのが、同社のCSO事業や人財開発を牽引してきた武田浩徳氏である。これまで培ってきたノウハウをフル活用し、CSOの可能性を追求してきたが、これからの10年で人財サービス企業としての同社の価値や存在感をさらに高め、CSO業界を次のステージへと引き上げていく構えだ。
“CSO=コントラクトMRの派遣”からの脱却
国内でCSOのサービスが開始されたのは1998年。その2年後にコントラクトMR(以下、CMR)としてキャリアをスタートさせた武田浩徳氏は、黎明期からCSOの変遷を目の当たりにしてきた業界の生き字引的な存在だ。2012年にはInizio Engageとの協業プロジェクトを率い、シミック・イニジオの礎を築いた一人でもある。

「CSOの発足当時は、営業の一部をアウトソースするということ自体に抵抗感を抱く製薬企業も少なくなかったと思います。その後、多くの企業で活用されるようになり、この10年で大きく発展しました。しかし“CSOイコールCMRの派遣”という認識が根強いのが現状です。この認識から脱却しCMR派遣だけでなくマネジメントや営業、教育、人事などさまざまな観点から支援するビジネスに変えなければ業界としてのさらなる発展はない。そういう思いで多様なサービスの開発と人財の育成に取り組んできました」と武田氏は振り返る。

折しもこの10年は製薬企業も営業体制の見直しなどが迫られた時期でもある。企業ごとに異なるニーズに対応するために、同社は柔軟で小回りの利く組織という強みを生かし、さまざまな営業の体系や方法論を提案、それらをまずパイロットスタディとして立ち上げていく形で、新たな事業を開発してきた。ベンチャー精神を重視し、柔軟性と実行力を兼ね備える同社ならではの取り組みといえる。例えば、製品の資材を医療機関に回って配布する「カスタマー・サービスレップ」や、短時間勤務の「パートタイムMR」などのサービスを提供。加えて、CMRが複数企業の非競合製品を担当する「シンジケート・セールスフォース」というフルアウトソース型のモデルでは訪問施設の医師からの高い評価を得ている。

「近年では日本に新規参入したばかりの企業の営業部門を組織化し、定着を支援するなど10年前はおそらくできなかったサービスも提供しています。これも積み上げてきたCSOとしての経験に負うところが大きいですね」と武田氏は話す。シミック・イニジオのこの10年は、CSOとしての基盤を固めつつも、新たなビジネスに挑戦し続けた歴史といえる。
自律型人財の育成が次の成長の糧に
研修事業も導入研修や製品研修の代行だけではなく、発展的かつCSOの強みを生かせるプログラムを提供しており、大きく進展した領域だ。「当社は人財サービスを提供していますので、教育のエビデンスはかなり蓄積されています。これは当社だけのものではないと考え、顧客からオーダーいただいた人財教育を通じて還元できるよう心掛けています」

武田氏のこの言葉を裏付ける通り、人が同社の生命線といえるだけにCMRを含めた自社のスタッフ教育には当然ながら力を入れてきた。特にスペシャリティ領域にシフトする企業の増加などを背景に2018年から社内認定制度を設け、オンコロジー領域の専門MRの養成に注力。固形がん、血液がん別に認定医試験並みの知識が求められるほどハイレベルであるが、ゴールド認定者かつ何年かの実務経験が必要なプラチナ認定者も誕生している。

同社の人財開発の大きな特徴は、この認定制度を含め、手挙げ制にしている点である。「CSO創成期のCMRとして道なき道を切り拓いてきた身からすれば、キャリアは与えられるものではなく、掴み取るものという考えが根底にある。研修も同じです。目標や自分自身と向き合い、必要なスキルを同定し、得た学びからアウトプットするサイクルを継続できる自律型人財に成長してもらうためにも「与える」だけのプログラムは一切行っていません。」

このように話す武田氏が求める人財像は、時代や顧客、医療現場のニーズの変化に向き合い、いかなる環境でも再現性をもった形で成果を生み出せる人間である。そのため同社では思考力強化の研修を数多く揃えており、固定観念や慣習に縛られない人財の育成に努めている。「CSOはサービスプロバイダーですので、CMR一人一人にビジネスアキュメンが求められますが、そういうスキルやマインドに関心を持ちチャレンジする社員が飛躍的に増えています。彼らが習得したものから生まれるビジネスやサービスも今後出てくるはずです」と武田氏は期待する。
“人と人”からしか生まれない付加価値を追求
シミック・イニジオへと社名を変更した今年度からは、CSOとメディカルアフェアーズの2カンパニー制を導入。カンパニー同士のコラボレーションを生かしながら、コマーシャルとメディカルアフェアーズ、ペイシェントソリューションの3つのセグメントで、製薬企業と医療従事者・患者さんのエンゲージメント強化をさまざまなタッチポイントでサポートする体制を整えた。例えば、ペイシェントセントリシティの推進支援にあたってメディカルアフェアーズカンパニーの知見を生かしたカスタマイズ研修なども好評だという。


「われわれは製品をもたない会社であり、人がビジネスの中心にあります。そして今後、これまで以上に多様なサービス開発とともに人財の育成が重要になると考えています。というのも現在、マーケティングや安全性管理など、さまざまな部署からご依頼をいただくケースが増えています。また製薬企業以外の会社からのご相談も少なくありません。したがってMRだけでなく、ヘルスケア業界全体の人財の流動性を高いレベルでカバーしていく人財プラットフォームになることがわれわれの役目と考え、社内一丸で取り組んでいきます」(武田氏)。例えば、プロダクト中心の組織構築が多い製薬企業では人事管理に不安や悩みを抱える企業もあることから、HRのサポートなども視野に入れている。

一方、事業の多角化を加速させていくとはいえ、CMRの派遣がCSO事業の柱であることに変わりはない。近年、製薬企業のMR数は減少の一途を辿っており、同社もCSOとしての責任がさらに高まるとの自覚をもってサポートしていく考えだ。

「現在、さまざまなチャネルを活用して情報収集・提供が行われており、MRの存在意義が問われています。ただ私はMR業務がデジタルやAIに取って変わられるとは思っていません。人と人とのコミュニケーションからしか生まれない付加価値もあり、引き続き大切であり続けますし、MR総数の減少トレンドの中で企業側のアウトソースのニーズに質と生産性でしっかり応えていきたい」と武田氏は強調する。

人財プラットフォームの実現に向けて、変化・変革し続けることでイノベーションを起こし、しかし持ち前のフロンティア精神、ベンチャー精神の灯はともし続け、同社は次の10年に向け未知のチャレンジへの船出を始めたところだ。
お問い合わせ先



シミック・イニジオ株式会社
https://www.cmic-inizio.com/

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