大正製薬 自社創製の不眠症治療薬・ボルノレキサントを承認申請
公開日時 2024/09/13 04:49
大正製薬は9月12日、オレキシン受容体拮抗薬・ボルノレキサント水和物(一般名、開発コード:TS-142)について、不眠症を対象疾患に承認申請したと発表した。自社創製品で、オレキシン受容体(OX1およびOX2受容体)を選択的に阻害する。
オレキシンによりオレキシン受容体が刺激されることで覚醒状態が維持される。ボルノレキサントはこの刺激を遮断することで、覚醒状態から睡眠状態への移行を促す効果が期待されることから、同社は不眠症治療薬として開発を進めてきた。
国内第3相臨床試験(TS142-301試験)では、患者日誌による不眠症患者の主観的評価を用いた有効性評価において、ボルノレキサントは入眠効果を評価する指標のひとつのsSL (subjective Sleep Latency):、及び睡眠維持効果を評価する指標のひとつのsSE (subjective Sleep Efficiency)ともに、ベースラインからの変化量はプラセボ群と比較して統計学的に有意な改善が認められた。安全性に問題ないことも確認されたという。
また同社は、ボルノレキサントは、分布容積が小さく消失半減期が短いという薬物動態プロファイルを示すことから、不眠症治療薬の課題の1つである“投与翌日の持ち越し効果”の懸念が少ない不眠症治療薬となり得る可能性があるとしている。