メディパルとJCR ムコ多糖症IIIB型治療薬候補・JR-446 24年度上期に国内第1/2相試験開始予定
公開日時 2024/07/02 04:49
メディパルホールディングスとJCRファーマは7月1日、JCRが創製した「JCR-446」(開発コード)について、超希少疾患のムコ多糖症IIIB型(サンフィリッポ症候群B型)に関する臨床第1/2相試験の治験届がPMDAに受理され、当局調査が終了したと発表した。調査終了を踏まえ、両社は2024年度上半期(4~9月)中にまず日本で当該試験を開始する予定。
JCR-446は血液脳関門通過型α-N-アセチルグルコサミニダーゼ製剤で、JCR独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を使用している。JCRは前臨床試験で、JR-446がムコ多糖症IIIB型に関連する症状に対する効果を示すことを確認。両社は23年9月に、JR-446のムコ多糖症IIIB型を対象疾患とした海外事業化に関する実施許諾契約および日本における共同開発・商業化契約を締結した。
ライソゾーム病の一種のムコ多糖症IIIB型は、ヘパラン硫酸の分解に関わるライソゾーム酵素をコードするNAGLU遺伝子の異常によって生じる常染色体劣性遺伝疾患。脳内の中枢神経系へのヘパラン硫酸の蓄積により、睡眠障害、言語消失、行動の変化などの神経症状が急速に進行し、患者や家族の生活の質に大きな影響を与える。世界の患者数は500人から1000人と推察されている超希少疾患で、現在までに承認されている治療法はない。
両社は、「協業による超希少疾病用医薬品の開発を行うことで、治療薬を待ち望んでいる患者さんに貢献できる取り組みを推進し、だれもが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と企業価値の向上を目指していく」としている。