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アンジェス・山田社長 早老症治療薬・ゾキンヴィの安定供給に自信 事業継承の米企業と供給契約継続

公開日時 2024/06/21 04:48
アンジェスの山田英代表取締役社長CEOは6月18日、早老症治療薬・ゾキンヴィの発売記者説明会で、導入元から事業継承された米国バイオ医薬品企業Sentynl Therapeutics社との間の供給体制について「国内の分については、製剤も含めてすでに1年以上の薬を確保している」と強調した。すでにSentynl社との間に供給契約の継続を確認し、米国の本社も直接訪れたという山田社長は「安定供給は大きな義務。Sentynl社の社長とも会い、堅い約束を交わすことができた」と述べた。

◎日本発売目前にSentynl社へ事業譲渡 「不安やリスクはない」


ゾキンヴィを巡って、アンジェスは導入元だった米Eiger BioPharmaceuticals社との間に国内独占販売契約を締結していたが、Eiger社は24年4月に米国倒産法第11条の適用を申請。ゾキンヴィ事業は日本での発売を目前に控えた5月にSentynl社へ譲渡された。山田社長はSentynl社がインドを拠点にグローバル展開するZydus Lifesciencesの傘下にあることに触れ「(倒産など)これからの不安やリスクはないだろうと思っている」と述べた。

◎佐賀大・松尾教授 体格などへの効果乏しく「生活環境の改善や支援は必要」

説明会で講演した佐賀大学医学部小児科学講座の松尾宗明教授は「ゾキンヴィの登場により心血管系の合併症の発症抑制やQOL向上につながる」と説明。さらに疾患の認知度が上がることで、適切な診断や治療、疾患研究の加速化に期待を寄せた。一方で、外観や体格など骨格系の問題や関節拘縮などへの効果は乏しいとされる。松尾教授は「心血管系の効果もまだ不十分な点は多く、専門医と連携しながらの管理が重要。延命による予期しない合併症の恐れもあり、さらなる検証が必要だ」と強調。「患者さんのすべてを改善するには至っておらず、生活環境の改善や支援はこれまで通り必要だ」と訴えた。

◎効能・効果はHGPS及びプロセシング不全性のPL 動脈硬化の進行抑制

ゾキンヴィ(一般名:ロナファルニブ)の効能・効果はハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)。HGPS及びプロセシング不全性のPLは、いずれもLMNA変異またはZMPSTE24変異に起因してファルネシル化したプロジェリンまたはプロジェリン様タンパク質が産生・蓄積する疾患で、いずれの病型とも、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋萎縮症などの早老症状が現れ、動脈硬化性疾患により若年期に死亡するとされ、HGPSの平均年齢は14.5歳と報告されている。アンジェスによると、国内では6人程度の患者がいるという。

ゾキンヴィはファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤で、プロジェリンまたはプロジェリン様タンパク質の産生を抑制するとされる。臨床試験では脳梗塞や心筋梗塞など死因に繋がる動脈硬化の進行を防ぐ効果がみられた。主な副作用として、下痢や吐き気などの胃腸障害や肝機能障害、QT間隔延長が報告されている。
 
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