ヤンセン アミバンタマブと化学療法の併用療法 前治療無効のEGFR陽性NSCLCを対象に承認申請
公開日時 2024/06/04 04:50
ヤンセンファーマは5月31日、EGFR及びMETを標的とする二重特異性抗体・アミバンタマブと化学療法(カルボプラチンとペメトレキセド)との併用療法について、第3世代EGFR-TKIによる前治療無効のEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺がん(NSCLC)を対象疾患に承認申請したと発表した。
アミバンタマブは日本で、2023年11月にEGFRエクソン20挿入変異を有する手術不能又は再発NSCLCに対する化学療法との併用療法を申請。24年4月にはEGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発NSCLCに対する、経口第3世代EGFR-TKI・ラゼルチニブとの併用療法(両剤とも国内未承認)を申請している。
アミバンタマブは、EGFRおよびMETを標的とする完全ヒト型二重特異性抗体。免疫担当細胞を介して抗腫瘍作用を発揮し、活性化及び抵抗性のEGFR変異、MET変異及び増幅を有する腫瘍を標的とする。
今回の申請は、オシメルチニブによる治療中又は治療後に病勢進行した局所進行性又は転移性のEGFR遺伝子変異を有するNSCLC患者を対象に、アミバンタマブと化学療法の併用療法の有効性と安全性を評価した第3相MARIPOSA-2試験のデータに基づく。
同試験では、アミバンタマブ+化学療法群は、化学療法単独群と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示し、病勢進行または死亡のリスクを52%減少させ、主要評価項目を達成した(HR=0.48、95%信頼区間[CI]0.36-0.64、P<0.001)。
アミバンタマブと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、「各薬剤の安全性プロファイルと一貫しており、化学療法にアミバンタマブを追加することによる新たな安全性シグナルは認められなかった」としている。この併用療法で最も多くみられた有害事象は、血液学的事象、EGFR関連事象、MET関連事象だった。併用療法における注入に伴う反応(infusion-related reaction=IRR)は58%だった。