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24年度薬価改定を告示 新薬創出等加算 5年間新薬開発実績なく対象除外6社7成分 糖尿病治療薬など薬価維持できず

公開日時 2024/03/05 10:01
厚労省は3月5日、2024年度薬価改定を官報告示した。薬価が維持される制度に見直された新薬創出等加算だが、薬価が維持されたのは99社、314成分506品目にのぼることがわかった。一方で、過去5年間新薬の開発実績がなく、加算対象外となった企業がサンドファーマやアルフレッサファーマなど6社、7成分が10品目あることが明らかになった。また、2型糖尿病治療薬など競争市場で平均乖離率超となり、新薬創出等加算品目ではあるものの、薬価を維持できない品目が27社の49成分78品目あった。

ドラッグ・ラグ/ロス解消が24年度薬価制度改革の柱の一つとなる中で、新薬創出等加算は企業指標を廃止し、薬価を維持するシンプルな制度に見直された。一方で、企業要件の廃止をめぐっては中医協の場で、診療・支払各側から強い反発が示される中で、企業要件の果たしていた革新的医薬品の国内開発を進めていく趣旨を継続させるため、これまでの企業要件を新薬創出等加算の対象企業の確認事項に位置付けた。具体的には、過去5年間の実績として、国内試験(日本を含む国際共同試験含む、フェーズ2以降、実施数)や新薬収載実績などを確認し、過去5年間いずれの項目も満たさない場合は対象から除外する。また、全品目の平均乖離率超となった品目については、新薬創出等加算品目には該当するとみなすものの、加算を適用せず、薬価を維持できない仕組みとなった。

◎新薬創出等加算の対象 105社 372成分 623品目

24年度薬価改定で、新薬創出等加算の対象となったのは105社の372成分623品目。このうち、加算の対象となり、薬価が維持されたのは99社、314成分506品目。新薬創出等加算の対象であるものの、平均乖離率超となり薬価が維持されなかったのは27社の49成分78品目。新薬創出等加算の対象品目となったが、市場拡大再算定等の対象となり、薬価が引き下がった品目は14社の21成分39品目あった。

◎DPP-4阻害薬やSGLT2阻害薬など 新薬創出等加算品も薬価引下げ

新薬創出等加算品目であるにもかかわらず、薬価を維持できなかった品目には、2型糖尿病治療薬のDPP-4阻害薬のジャヌビア錠(MSD)、グラクティブ錠(小野薬品)、エクア錠(ノバルティスファーマ)、ネシーナ錠(武田薬品)、SGLT2阻害薬のスーグラ錠(アステラス製薬)、フォシーガ錠(アストラゼネカ)、ルセフィ錠(大正製薬)、デベルザ錠(興和)、カナグル錠(田辺三菱製薬)など、競争市場の製品が多く含まれている。

◎新薬創出等加算の対象から除外された企業 サンドファーマ、アルフレッサファーマ、東レなど6社

一方、新たな制度で導入された、企業要件により新薬創出等加算の対象から除外された企業は、アルフレッサファーマ、東レ、フレゼニウス カービ ジャパン、サンドファーマ、東亜薬品など6社。アルフレッサファーマのコレアジン錠12.5mgとノーベルバール静注用 250mg、東レのケアロードLA錠60μg、フレゼニウス カービ ジャパンのボルベン輸液6%、サンドファーマのアリクストラ皮下注1.5mg・2.5mg・5mg・7.5mg、アラノンジー静注用250mg、東亜薬品のバンコマイシン眼軟膏1%の7成分10品目だった。

◎新薬創出等加算 加算額は約314億円 控除額は約885億円

新薬創出等加算の加算額は約314億円。一方で、新薬創出等加算の累積額控除を受けたのは企業要件による対象除外を含む79成分149品目あり、約885億円が控除された。

◎市場拡大再算定は23成分38品目に適用 ネクサバールが31.3%引下げ

市場拡大再算定の対象品目は23成分38品目。バイエル薬品のネクサバール錠200mgが31.3%の引下げを受けた。同剤は、レンビマカプセル(エーザイ)の類似品であり対象となったが、レンビマカプセルは真の臨床的有用性加算(A=10%)のために引下げが緩和されており、15.0%の引下げとなった。このほか、ベクルリー点滴静注用100mg(ギリアド・サイエンシズ)が25.0%、エンスプリング皮下注120mgシリンジ(中外製薬)が25.0%の引下げを受けた。(市場拡大再算定品の薬価はダウンロードファイルから、会員限定)

◎改定時加算充実は9成分 併算定のジャカビ錠10mg錠は9.0%引上げ

24年度薬価制度改革では、小児適応の効能追加や希少疾病の効能追加に関する加算で、国際共同治験の実施など企業の取組みを評価し、加算を柔軟に運用することが盛り込まれた。改定時加算の対象となった13成分23品目のうち、24年度薬価制度改革で加算が充実されたのは9成分あった。なかでも制度改革により併算定が可能になったことで、小児適応の効能追加等に係る加算(A=10%)と希少疾病の効能追加等に係る加算(A=15%)の併算定となったノバルティスファーマのジャカビ錠は5mg錠が8.3%、10mg錠が9.0%の引上げを受けた。このほか、小野薬品のオノアクト点滴静注⽤が小児適応の効能追加等に係る加算(A=15%)の拡充を受け、 50mgが4.4%、150mgが3.9%、薬価が引き上げられた。(改定時加算品の薬価一覧はダウンロードファイルから、会員限定)

◎Z2対象は63成分134品目

このほか、後発品への置換えが進まない先発品の薬価引下げ(Z2)の対象となったのは63成分134品目。後発品の置換え率が「60%未満」は28成分62品目、「60%以上80%未満」は35成分72品目だった。
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