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新薬創出等加算 累積額控除21成分46品目で約562億円 改定時加算の適用は21成分45品目

公開日時 2025/03/07 10:00
厚生労働省は3月7日、2025年度薬価改定を官報告示した。中間年改定で初の適用となった新薬創出等加算の累積額控除を受けたのは21成分46品目で、控除額は約562億円。また、新薬創出等加算対象品目等を比較薬として算定された品目での新薬創出等加算累積額相当額の控除を受けたのは7成分12品目で、控除額は約100億円だった。一方で、効能追加により改定時加算を受け、薬価が引きあがるのは21成分45品目。抗凝固薬のイグザレルト(バイエル薬品)は新薬創出等加算の累積額控除による引下げと、改定時加算による引上げを同時に受けることになる。慢性心不全治療薬・エンレスト(ノバルティスファーマ)や喘息治療薬・レルベア(グラクソ・スミスクライン)は新薬創出等加算品目だが、改定対象となり実勢価改定を行ったうえで、改定時加算による引上げも受ける。

◎中間年改定で初の累積額控除 イグザレルト、ステラーラ、DPP-4阻害薬など対象に

25年度薬価改定では、新薬創出等加算の累積額控除が中間年改定として初めて実施された。対象品目には抗凝固薬のイグザレルトや、乾癬治療薬のステラーラ、DPP-4阻害薬のジャヌビア、グラクティブ、エクアなど大型品も対象となった。ノバルティスファーマとヤンセンファーマは3成分、サノフィとMSDは2成分が対象となるなど、特定の企業で大きな打撃を受ける格好となった。

対象となったのは、▽クロザリル(ノバルティスファーマ)、▽イグザレルト(バイエル薬品)、▽ノベルジン(ノーベルファーマ)、▽グラクティブ(小野薬品)・ジャヌビア(MSD)、▽エクア(ノバルティスファーマ)、▽プラケニル(サノフィ)、▽タイケルブ(ノバルティスファーマ)、▽オラペネム(MeijiSeikaファルマ)、▽プリジスタ(ヤンセンファーマ)、▽リスパダール コンスタ(ヤンセンファーマ)、▽アピドラ(サノフィ)、▽ブリディオン(MSD)、▽ラスリテック(サノフィ)、▽ステラーラ(ヤンセンファーマ)、▽ミリプラ(住友ファーマ)、▽ハラヴェン(エーザイ)、▽ラピアクタ(塩野義製薬)、▽ベネフィクス(ファイザー)、▽エリザス(日本新薬)、▽アズマネックスツイストヘラー(オルガノン)、▽ロゼックスゲル(マルホ)-の21成分46品目。

◎新薬創出等加算品を比較薬にした品目の引き下げは7成分12品目

20年度薬価制度改革の骨子で、「類似薬効比較方式(Ⅰ)等で算定された新薬で、新薬創出加算対象外のものについては、収載から4年を経過した後の初めての薬価改定(収載後3回目の薬価改定)の際に、収載後の効能追加等により新薬創出等加算対象となった場合を除き、収載時点での比較薬の累積加算分を控除する」とされており、25年度薬価改定で初めて適用された。対象となったのは、▽デエビゴ(エーザイ)、▽キャブピリン(武田薬品)、▽ユリス(富士薬品)、▽ベオビュ(ノバルティスファーマ)、▽ソリクア(サノフィ)、▽サークリサ(サノフィ)、▽アイラミド(千寿製薬)-の7成分12品目だった。

◎新薬創出等加算品目 平均乖離率超で薬価が維持されない品目は36成分59品目

新薬創出等加算品目は25年度改定では平均乖離率約5.2%を基準として「1.0倍超」が改定対象となった。新薬創出等加算品目402成分669品目(告示数)のうち、新薬創出等加算品目で平均乖離率を超えなかった品目は372成分605品目(96社)だった。新薬創出等加算の対象品目ではあるものの薬価が維持されなかった品目のうち、平均乖離率超で薬価が維持されなかった品目は36成分59品目(22社)、市場拡大再算定等の対象となり薬価が引下がった品目は2成分5品目(2社)あった。

平均乖離率超となり、薬価が維持されなかった品目には、競合市場の大型品が並ぶ。慢性心不全治療薬・エンレスト(ノバルティスファーマ)、抗アレルギー薬・デュピクセント(サノフィ)、乾癬治療薬・スキリージ(アッヴィ)などがあった。

競合市場である糖尿病治療薬も、SGLT2阻害薬のフォシーガ(アストラゼネカ)、スーグラ(アステラス製薬)、デベルザ(興和)、カナグル(田辺三菱製薬)、ルセフィ(大正製薬)、DPP4阻害薬のネシーナ(帝人ファーマ)、GLP-1受容体作動薬のビクトーザ(ノボ ノルディスクファーマ)など。喘息治療薬のレルベア(グラクソ・スミスクライン)、テリルジー(グラクソ・スミスクライン)があった。

◎中間年改定で初の改定時加算 アレセンサカプセル、ブレヤンジ静注など

一方で、改定時加算も中間年改定としては初めて実施された。改定時加算が21成分45品目。迅速導入加算が適用されたのは、アレセンサカプセル(中外製薬、A=5)、ブレヤンジ静注(ブリストル・マイヤーズ スクイブ、A=5)、真の臨床的有用性加算は、ウゴービ皮下注(ノボ ノルディスク ファーマ、A=5)、オゼンピック皮下注(ノボ ノルディスク ファーマ、A=5)。このほか、フィンテプラ内用液(ユーシービージャパン、A=15)、エンレスト錠(ノバルティスファーマ、A=20)、イグザレルト(バイエル薬品、細粒分包・錠・OD錠はA=10、ドライシロップはA=15)、オルミエント錠(日本イーライリリー、A=15)、ジャカビ錠(ノバルティスファーマ、A=12.5)、リンヴォック錠(アッヴィ、A=5)、タフィンラーカプセル(ノバルティスファーマ、A=12.5)、メキニスト錠(ノバルティスファーマ、A=12.5)、エザルミア錠(第一三共、A=10)、リフキシマ錠(あすか製薬、A=20)、ファセンラ皮下注シリンジ(アストラゼネカ、A=10)、ベンリスタ皮下注オートインジェクター(グラクソ・スミスクライン、A=15)、リツキサン点滴静注(全薬工業、A=5)、献血ヴェノグロブリン(日本血液製剤機構、A=5)、ウィフガート点滴静注(アルジェニクス
ジャパン、A=10)、トレプロスト吸入液(持田製薬、A=10)、レルベアエリプタ吸入用(グラクソ・スミスクライン、A=5)。

◎外国平均価格調整 引上げ4成分5品目、引下げ1成分1品目

外国平均価格調整により、引上げとなったのは4成分5品目、引下げを受けたのは1成分1品目だった。


25年度薬価改定の概要 厚労省発表資料 はこちら
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