オルミエントの若年性特発性関節炎の効能追加など4製品を審議へ 2月5日の薬食審・第二部会で
公開日時 2024/01/23 04:50
厚生労働省は2月5日に薬食審・医薬品第二部会を開き、日本イーライリリーのJAK阻害剤・オルミエントの若年性特発性関節炎の効能追加およびアトピー性皮膚炎の小児用量追加など新薬4製品の承認可否を審議する。
このほかの審議品目は、サノフィの抗IL-4/13受容体抗体・デュピクセントの特発性慢性蕁麻疹の効能追加、小野薬品の抗PD-1抗体・オプジーボの上皮系皮膚悪性腫瘍の効能追加、日本新薬の高リスク急性骨髄性白血病治療薬・ビキセオス配合静注用(一般名:ダウノルビシン塩酸塩・シタラビン)となる。
【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
▽①オルミエント錠2mg、②同錠4mg、③同錠1mg(バリシチニブ、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」を対象疾患とする、①②は新効能・新用量医薬品。③は新効能・新用量・剤形追加に係る医薬品。
JAK阻害剤。若年性特発性関節炎(JIA)は、16歳未満で発症する6週間以上持続する原因不明の関節炎と定義される自己免疫疾患であり、小児期リウマチ性疾患に分類される。今回、JIAのうち、多関節に活動性を有するもの(pJIA)の効能追加が審議される。現在、JIAに関する効能効果を持つJAK阻害剤はない。
▽①オルミエント錠2mg、②同錠4mg、③同錠1mg(バリシチニブ、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を対象疾患に小児用量を追加する、①②は新用量医薬品。③は新用量・剤形追加に係る医薬品。
20年12月に「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」の効能効果で承認されており、成人に対する用法・用量が設定されている。今回、小児の用量追加が審議される。既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎の効能効果を持つ経口投与のJAK阻害剤には、リンヴォック錠とサイバインコ錠があり、両剤とも成人と小児の用法用量が設定されている。
▽デュピクセント皮下注300mgシリンジ、同皮下注300mgペン、同皮下注 200mgシリンジ(デュピルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「既存治療で効果不十分な特発性の慢性蕁麻疹」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。
ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体。特発性の慢性蕁麻疹(CSU)は、膨疹や皮下深部の浮腫が突然現れることを特徴とする慢性炎症性皮膚疾患。その効能追加が承認されると、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、結節性痒疹に続く5つ目の適応となる。
▽オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注120mg、同点滴静注240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):「根治切除不能な進行・再発の上皮系皮膚悪性腫瘍」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。
ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体。上皮系皮膚悪性腫瘍は、上皮系腫瘍として系統別分類される皮膚がんの総称であり、有棘細胞がん、基底細胞がん、乳房外パジェット病、皮膚付属器がん(汗腺がん、脂腺がん、毛包がんなど)などが含まれる。90%以上の患者は手術療法を中心とした局所治療による根治が期待されるが、根治切除不能な進行・再発例は予後不良で、標準治療が確立されていない。
▽ビキセオス配合静注用(ダウノルビシン塩酸塩・シタラビン、日本新薬):「高リスク急性骨髄性白血病」を対象疾患とする新医療用配合剤。希少疾病用医薬品。
若年者(65歳未満)急性骨髄性白血病(AML)に対する標準的寛解導入療法はアントラサイクリン+標準量シタラビンである。今回審議されるのは、アントラサイクリン系薬剤のダウノルビシンとピリミジン系代謝拮抗薬シタラビンを5:1のモル比で配合したリポソーム製剤であり、白血病細胞に取り込まれ、細胞内でリポソームが分解されて有効成分を放出し、薬効を発揮する。
【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。
▽アレジオン眼瞼クリーム0.5%(エピナスチン塩酸塩、参天製薬):「アレルギー性結膜炎」を対象疾患とする新剤形医薬品。