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デキサメタゾンなど一部の副腎ホルモン剤 「重大な副作用」に「腫瘍崩壊症候群」を追記 添付文書改訂

公開日時 2024/01/11 04:50
デキサメタゾン製剤(経口剤及び注射剤)やプレドニゾロン(経口剤)など一部の副腎ホルモン剤の「重大な副作用」の項に「腫瘍崩壊症候群」を追記するなど、21成分の添付文書が改訂された。厚生労働省医薬局医薬安全対策課が1月10日、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けたもの。副腎ホルモン剤のうち、トリアムシノロン製剤(経口剤及び注射剤)及びベタメタゾン製剤(経口剤、坐剤、注射剤及び注腸剤)については、腫瘍崩壊症候群の症例の集積がないことから、現時点では使用上の注意の改訂は不要と判断された。

添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。
〈副腎ホルモン剤〉
1.デキサメタゾン(経口剤)
2.デキサメタゾンパルミチン酸エステル
3.デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム(注射剤)
4.プレドニゾロン(経口剤)
5.プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム
6.プレドニゾロンリン酸エステルナトリウム
7.メチルプレドニゾロン
8.メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム
9.メチルプレドニゾロン酢酸エステル
10.コルチゾン酢酸エステル
11.ヒドロコルチゾン
12.ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(効能又は効果にリンパ系腫瘍を含む)
13.ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム(効能又は効果にリンパ系腫瘍を含まない)
14.ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム


改訂概要:1、3~5、7~12〈効能又は効果にリンパ系腫瘍を含む製剤〉について、「重要な基本的注意」の項に腫瘍崩壊症候群に関する記載を追記する。「副作用」の「重大な副作用」の項に「腫瘍崩壊症候群」を追記する。2、6、13、14〈効能又は効果にリンパ系腫瘍を含まない製剤〉について、「重要な基本的注意」の項に腫瘍崩壊症候群に関する記載を追記する。

改訂理由:腫瘍崩壊症候群の症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、デキサメタゾン製剤(経口剤及び注射剤)、プレドニゾロン製剤(経口剤及び注射剤)、メチルプレドニゾロン製剤(経口剤及び注射剤)、及びヒドロコルチゾン製剤(注射剤)について、腫瘍崩壊症候群との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

プレドニゾロン製剤(注腸剤)及びコルチゾン・ヒドロコルチゾン製剤(経口剤)については、腫瘍崩壊症候群の症例の集積はないが、同一の活性体等の集積を踏まえ、同内容に改訂することが適切と判断した。

なお、トリアムシノロン製剤(経口剤及び注射剤)及びベタメタゾン製剤(経口剤、坐剤、注射剤及び注腸剤)については、腫瘍崩壊症候群の症例の集積がないことから、現時点では使用上の注意の改訂は不要と判断した。

腫瘍崩壊症候群症例の集積状況:1~3のデキサメタゾン製剤と事象との因果関係が否定できない国内症例1例(うち死亡0例)、海外症例9例(うち死亡2例)。4~6のプレドニゾロン製剤と事象との因果関係が否定できない国内症例3例(うち死亡0例)、海外症例3例(うち死亡0例)。7~9のメチルプレドニゾロン製剤と事象との因果関係が否定できない国内症例2例(うち死亡0例)、海外症例7例(うち死亡0例)。10~14のコルチゾン・ヒドロコルチゾン製剤と事象との因果関係が否定できない国内症例0例、海外症例3例(うち死亡0例)。

セルトラリン塩酸塩(製品名:ジェイゾロフト錠、同OD錠、ヴィアトリス製薬 等)
改訂概要:「重大な基本的注意」の項に血液検査に関する注意事項を追記する。「副作用」の「重要な副作用」の項に「血小板減少」を追記する。

改定理由:MID-NETを用いた抗うつ薬の血小板減少リスクに関する調査結果及び市販後の血小板減少関連症例を踏まえ、セルトラリン塩酸塩に当該リスクがあると判断した。上述の機構見解の適切性、上記薬剤における血小板減少関連症例の因果関係評価、及び血小板減少に係る安全対策措置の必要性について、専門委員の意見も聴取した結果、本調査結果及びセルトラリン塩酸塩と血小板減少との因果関係が否定できない症例が集積したことを踏まえ、セルトラリン塩酸塩においては使用上の注意を改訂することにした。

なお、本調査から、現時点で安全対策措置は不要と判断したエスシタロプラムシュウ酸塩、デュロキセチン塩酸塩、ミルナシプラン塩酸塩、ボルチオキセチン臭化水素酸塩について、血小板減少リスクを完全に否定できる結果は得られておらず、今後集積される情報に引き続き注視することが適切であると判断した。

血小板減少関連症例の集積状況:セルトラリン塩酸塩と事象との因果関係が否定できない国内症例3例(うち死亡0例)、海外症例1例(うち死亡0例)。

アセタゾラミド(ダイアモックス末、同錠、三和化学研究所)
アセタゾラミドナトリウム(ダイアモックス注射用、三和化学研究所)
改訂概要:「副作用」の「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群、肺水腫」を追記する。

改定理由:急性呼吸窮迫症候群及び肺水腫関連の症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、アセタゾラミド、アセタゾラミドナトリウムと急性呼吸窮迫症候群及び肺水腫との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

急性呼吸窮迫症候群関連症例の集積状況:アセタゾラミドと事象との因果関係が否定できない国内症例2例(うち死亡0例)、海外症例4例(うち死亡0例)。アセタゾラミドナトリウムと事象との因果関係が否定できない国内症例7例(うち死亡0例)、海外症例0例。

肺水腫関連症例の集積状況:アセタゾラミドと事象との因果関係が否定できない国内症例2例(うち死亡0例)、海外症例4例(うち死亡0例)。アセタゾラミドナトリウムと事象との因果関係が否定できない国内症例7例(うち死亡0例)、海外症例0例。

アテゾリズマブ(製品名:テセントリク点滴静注、中外製薬)
改訂概要:「副作用」の「重大な副作用」の項に「脊髄炎」を追記する。

改訂理由:脊髄炎関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と脊髄炎との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

脊髄炎関連症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例2例(うち死亡0例)、海外症例3例(うち死亡0例)。

ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ点滴静注、MSD)
改訂概要:「副作用」の「重大な副作用」の項に「脊髄炎」を追記する。

改訂理由:脊髄炎関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と脊髄炎との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

脊髄炎関連症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例2例(うち死亡0例)、海外症例10例(うち死亡0例)。

エンコラフェニブ(製品名:ビラフトビカプセル、小野薬品)
ビニメチニブ(製品名:メクトビ錠、小野薬品)
改訂概要:「重要な基本的注意」の項に腫瘍崩壊症候群に関する記載を追記する。「副作用」の「重大な副作用」の項に「腫瘍崩壊症候群」を追記する。

改訂理由:腫瘍崩壊症候群の症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と腫瘍崩壊症候群との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。

腫瘍崩壊症候群症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例3例(うち死亡0例)、海外症例5例(うち死亡0例)。
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