小野薬品 英国・UK DRIと共同研究契約 認知症領域の新たな標的分子同定目指す
公開日時 2023/12/22 04:49
小野薬品は12月20日、英国の国立認知症研究機構UK Dementia Research Institute(UK DRI)と認知症領域での新規治療標的分子の同定を目的とした共同研究契約を締結したと発表した。オープンイノベーション推進の一環として、認知症の診断や予防、治療にかかる新規標的分子を同定するために複数年にわたる共同研究を進めるとしている。
UK DRIはユニバーシティ・カレッジ・ロンドンやケンブリッジ大学など英国内の6大学から認知症研究者を集め、アルツハイマー型認知症をはじめとしたさまざまな認知症の治療法提供を目指す国立研究機関。750人以上の研究者が所属し、マルチオミクス解析やiPS細胞、データサイエンスなど最先端技術で認知症の発症機構の解明や治療法開発を進めている。
小野薬品は、注目研究領域であるグリア細胞が関与する疾患や神経炎症領域などを中心にUK DRI所属の研究者に研究テーマを募集。その中で優れたテーマに対して資金提供を行い、同社の知見やノウハウを活用しながら共同研究を進める。治療標的分子を同定した場合、小野薬品が医薬品候補化合物を創製して新たな認知症治療薬の開発、商業化に向けて取り組んでいくとしている。
小野薬品の滝野十一取締役専務執行役員・研究本部長は「世界最先端の研究能力および研究連携体制を持つUK DRIと協働できることをうれしく思う。パートナーシップにより、認知症の新たな創薬標的の同定につながることを期待している」。UK DRIのInnovation&Business部門ディレクターであるKay Penicud博士は「今回の戦略的提携は両者の創薬研究および医薬品開発におけるお互いの能力を補完するものであり、新たな研究の臨床応用を加速し、認知症患者が切望する治療に近付けるものと期待している」とコメントしている。