大正製薬HD・上原副社長 早期退職者募集、国内売上と社員数を考慮「一旦リセットした方が良いと判断」
公開日時 2023/11/14 04:50
大正製薬ホールディングス(HD)の上原茂取締役副社長(大正製薬社長)は11月13日の2023年度第2四半期決算説明会で、23年度上期に早期退職優遇制度を実施した理由について、「(国内の)売上高とそこに従事している社員数のバランスを考慮し、一旦リセットした方が良いとの判断に至った」と説明した。大正製薬HD及び同社国内グループ会社を対象に早期退職者を募集し、応募人数は645人だった。これまで応募者の内訳など詳細は開示されていなかったが、上原氏は「かなり医薬事業の社員が手を挙げ、退職する人が多く出た」と明かした。
上原氏は12年から大正製薬社長も務めている。社長就任当時を振り返り、「医薬事業は非常に厳しい事業成績が続いていたが、それでも売上は1000億円あり、利益も出ていた」と話した。それから約10年たち、グループの医薬事業の23年度通期予想は420億円、セルフメディケーション(国内)は1349億円と計画している。上原氏は、「(早期退職優遇制度の実施により)長年、少し大きめのサイズだった医薬事業が1回リセットされるような形になった」としたが、「だからと言って我々がこの領域から撤退する、あるいはこの領域への投資をやめるということはない」とも強調し、医薬事業から撤退しない考えも示した。
今回の早期退職者募集は18年の実施に続く2回目となる。今回の対象者は、対象企業に所属する原則2023年4月1日時点で勤続3年以上かつ満30歳以上の正社員。募集人数は特に定めなかった。募集期間は5月9日~8月10日で、応募者は6月30日~9月30日にかけて順次退職した。同社はこれまで、「今後の持続的な成長に向けて生産性の高い組織構築を進めていくための施策の一環として、また、これを機に自らの生涯設計に基づき転進を図ろうとする従業員に対して支援するため、早期退職優遇制度を実施した」と説明していた。