エーザイは6月29日、認知症の課題解決に寄与するデジタル・ソリューションの開発をめざす共同研究「NEURii」を開始すると発表した。共同研究にはGates Ventures（米シアトル）、Health Data Research UK、LifeArc（いずれも英ロンドン）、エジンバラ大学（英エジンバラ）が参画。2年間の新規共同研究契約を締結した。共同研究は、既存の治療法を補完し、認知症関連疾患の予測、予防、管理、治療に関する課題を解決するデータの創出およびデジタル・ソリューションを開発する。

共同研究「NEURii」では、高質なヒューマンデータ、人工知能（ＡＩ）、機械学習（ＭＬ）を用い、認知症当事者様に焦点を当てたデジタルヘルス・ソリューションを創出することを企図している。認知症当事者の生活改善と、介護者や家族の負担を最小限に抑えることを目的としたもので、日常生活の中で無意識に取得できる五感データ（例えば会話による音声）を、英国に蓄積されたメディカルレコードと組み合わせて ＡＩ解析することで、認知症の発見、モニタリング、治療に利用可能なデジタル・ソリューションを創出することを目指す。

最初の2年間のパイロット期間においては、公衆衛生の強化・改善をリアルワールドで実証できるスケールアップ可能なプロトタイプと革新的なビジネスモデルを確立する。

エーザイの木村禎治Deep Human Biology Learning（DHBL）オフィス アカデミア・インダストリーアライアンス・オフィサーは、「認知症分野における英国の先進性と、革新的な治療法を継続的に創出してきた当社の経験と実績を組み合わせることで、認知症の課題解決に貢献できる新しいデジタル・ソリューションの創出をめざす」と述べた。